4-4-2の“天敵”、バルサスタイルの出現。隙間でのポゼッション。反定立としてのアトレティコ【西部の4-4-2戦術アナライズ】

アトレティコが躍進して以降、復活の感があるフラットな4-4-2システム。だが、昨今各国リーグで成果を上げている4-4-2は、以前のそれとは様相が異なっている。シメオネが導入した4-4-2はどのようにして登場したのか。4-4-2の“天敵”として現れたバルセロナ・スタイルの興隆を軸に、その経緯を紐解く。(文:西部謙司)

2016年06月29日(Wed)10時20分配信

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ
text by 西部謙司 photo Getty Images
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ゾーンの4-4-2にとっての“天敵”、バルサスタイル

かつてバルセロナを率いたジョゼップ・グアルディオラ監督
かつてバルセロナを率いたジョゼップ・グアルディオラ監督【写真:Getty Images】

 2008年のユーロで優勝したスペインは、2010年南アフリカW杯でも優勝。さらにユーロ2012も連覇して黄金時代を築いた。また、08-09シーズンのCLではグアルディオラ監督率いるバルセロナが優勝、10-11シーズンも優勝している。スペイン代表のメンバーの中心がバルセロナの選手であり、この2つの強力なチームはほぼ1つのチームで、同じプレースタイルだった。

 スペイン・バルセロナは、ゾーンの4-4-2にとって“天敵”の出現である。

 4-4の守備ブロックは、その内部への侵入を容易に許さないことが最大のストロングポイントである。ところが、スペイン(バルセロナ)はブロックの内部へパスをつないで浸食し、そのことで守備のバランスを失わせた。ジネディーヌ・ジダンが個人で与えた4-4-2への脅威は、スペインによってチームとしての脅威になったわけだ。

 スペインはゾーンの隙間にパスをつなぎ、周辺の守備者が収縮する前にボールを逃がす。それを連続されるとゾーンによるブロック守備戦術はもたない。ボールへの収縮は別のエリアのスペース拡大を意味し、なおボールを追い続けて奪えなければ、守備組織は崩壊へ向かって進む。

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