コンテ・イタリア式、4-4-2の“発展形”。守備の弱点を克服した“ネオ・カテナチオ”【西部の4-4-2戦術アナライズ】

アトレティコが躍進して以降、復活の感があるフラットな4-4-2システム。だが、昨今各国リーグで成果を上げている4-4-2は、以前のそれとは様相が異なっている。EURO2016でイタリア代表が採用したのは3-5-2であるが、それは4-4-2が抱える問題点を解決するための発展形だった。(文:西部謙司)

2016年07月06日(Wed)10時19分配信

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ
text by 西部謙司 photo Getty Images
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イタリアはカテナチオだったか?

ユベントス時代と同じシステムをイタリア代表に導入したアントニオ・コンテ監督
ユベントス時代と同じシステムをイタリア代表に導入したアントニオ・コンテ監督【写真:Getty Images】

 事実上の決勝戦といわれた準々決勝のドイツ戦にPK戦で敗れたイタリアは、3-5-2のフォーメーションだ。つまり4-4-2ではないわけだが、4-4-2の発展形ないしは変形なので取り上げてみたい。

 今大会のイタリアはコンテ監督が率いてきたユベントスと同じシステムを用いていた。守備のときには5-3-2、攻撃ではウイングバックが上がって3-3-4のように変化する。コンテ監督は「ただのカテナチオではない」と言っていた。そう、真のカテナチオないしカテナチオの進化形である。

 コンテ・ユーベ方式は、60年代に隆盛を極めたインテルやミランのカテナチオと同じではない。60年代はマンツーマン+リベロだったのに対して、コンテ監督のほうは90年代以降のゾーン式4-4-2をベースにしている。しかし、守備に万全を期しての堅守速攻という思考はカテナチオそのもの。できるだけ多く得点するのではなく、できるだけ少なく失点する(できれば無失点)ことを目指しているわけだ。

 5-3-2で守る形は、4-4-2の弱点である「ニアゾーン」「間受け」を消している。ペナルティーエリア幅を4人ないし5人(ときには6人)でカバーするため、SBとCBの間に広がりやすいニアゾーンが非常に狭くほぼ存在しない。間受けに対しては、3人のCBのうち1人が前に出て潰す。ユベントスの3CBはこれのスペシャリストである。

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