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韓国での成長誓う和田倫季「まだ日本に戻る気はない」【Kリーグの日本人】

シリーズ:Kリーグの日本人 text by キム・ドンヒョン photo by Kim Donghyun

なぜ韓国に渡ったのか?

木浦国際サッカーセンター 写真:キム・ドンヒョン
木浦国際サッカーセンターは市内から離れている【写真:キム・ドンヒョン】

「ヴィッセル神戸でデビューはしましたが(2012年、デビューシーズンに天皇杯1試合出場が彼のヴィッセルでの唯一の試合)、2年間試合に出られなかった。だから自然と試合に出たい気持ちが出てきた。そのとき、ちょうどドフンさんから『若手を探している』という話を聞き、チャレンジしたかった。試合にもっと出て成長したかった」

 仁川では6ヶ月間の期限付き移籍。短い間の在籍ながら、最後の出番では鮮やかなキックでデビューゴールも決めており、ファンからも高い評価を受けていた。しかし次につながるオファーはなし。光州への移籍にはシーズンが始まる寸前であるこの2月の話だ。この移籍で光州初の日本人プレーヤーともなった。

「仁川では期限付きで、一旦神戸に戻った。そのとき、京都で通訳を務めるゴンさん(車健人)がいろいろ調べてくれた。ちょうど宮崎キャンプで光州とタイミングが合い、ここに加入することになった。拾ってくれた感じかな(笑)」

 光州での生活は彼にとってはいろんな意味で成長をもたらすはずだ。まずは環境から。前述したように木浦はソウルから遠距離であるうえ、繁華街もない。しかも木浦国際サッカーセンターは市内からも離れている。チームの状況も神戸とは全く違う。

 まず、光州には日本語通訳もいない。元大分トリニータのMFキム・ジョンヒョンが日本語が話せる唯一の人物。また、試合で使うサプライも自分で用意しなければならない。厳しい現況だ。

「サッカーには打ち込める。集中できる環境というのはすごくいい。だが、私生活は困る部分もある。練習後に自由時間があるのはあるんだけど、車もなくて外にも出られず。タクシーを使うしかない。

(昨年いた仁川とも変わらない?)状況的にはあまり変わらない。仁川でも通訳はいなかった。ドフンさんが日本語をほんの少ししゃべれるくらい。ここでは(キム・)ジョンヒョンが日本語が話せる。

もちろんチームメートも『ワダ!』と名前を呼びながら日本語だったり、片言の英語とかで話を積極的にかけてくれる。だからコミュニケーションが取れていないわけでもない。試合で使う言葉も感覚でわかってきている」

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