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韓国での成長誓う和田倫季「まだ日本に戻る気はない」【Kリーグの日本人】

シリーズ:Kリーグの日本人 text by キム・ドンヒョン photo by Kim Donghyun

韓国人が一般的に想像する日本人選手に当てはまる和田。しかし……

和田倫季 写真:キム・ドンヒョン
和田倫季【写真:キム・ドンヒョン】

 異環境で和田は普段何をしているのか。

「神戸だったら友達とお茶したりぶらぶらする私生活があるけれど、ここではフリーの時間にYoutubeで日本のバラエティを見たりしている。神戸のトレーナーから教えてもらったアスリートパフォーマンス、コアトレーニングも怠っていないですよ」

 実際、ベッドにはマットが敷いてあり、いつでもトレーニングできるようにしていた。サッカーに打ち込める環境とも言える。

 和田は小柄で天才肌のパサー。これはある意味、韓国人が一般的に想像する日本人選手のイメージにぴったりと当てはまる。しかし、ステレオタイプのままではチャンスはつかめない。

 仁川でも彼のスキル、テクニカルな部分は高評価されていたが、結果的に出場したのは3試合のみ。光州でもリーグ戦が中盤を超えた現時点で2試合の出場にとどまっている。

「(試合に出られていないのは)自分の能力がまだまだだから。監督とコーチから言われているのは守備とプレースタイル。特にプレースタイルの面で『パスだけではなく、ドリブルをもっとしてほしい」と言われている。そこを改善すれば、試合に出られるかなと思う」

 現在、光州FCでトップ下を担える選手はブラジル出身でパスセンスに長けたファビオ、韓国の強豪FCソウルから加入したキム・ミンヒョク。そして和田だ。3人ともパスに強みを持つ。

 そして、この3人以外にも攻撃的なプレーヤーはいるが、1人で局面を打開できるドリブラーがいないことも事実。和田もプレースタイルが被ることやドリブルの重要性に関しては認知している。

「トップ下でプレーする3人ともパスを好む。だからそこでドリブルを仕掛けて、違いを見せなければならないと思っている。でも、味方も自分がパスに強みを持っていることを熟知している。パスを出すと考え、先に動き出してしまうというか、パスを求めてくる場面が多い。

 正直、自分が合わせるだけだし、自分的にもドリブルを仕掛けたほうがいいと思っている。パスだけだと相手も(後ろに)引いてしまうのもあるので。もちろんパス一本で試合の流れを変える自信も持っているけれども、大事なのはパスだけではないことを蔚山現代と城南FCとの試合で、身に染みて感じた」

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