だから、それをエアインタビューと言うんです

『Yahoo!ニュース個人』に掲載されたサッカーキング統括編集長・岩本義弘氏(フロムワン取締役)の記事を拝読したが、反論されているようで反証になっていない上、岩本氏自ら『ワールドサッカーキング』の記事がエアインタビューであると認めているような記述があり驚いている。

2016年09月21日(Wed)20時57分配信

text by 森哲也
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『Yahoo!ニュース個人』に掲載されたサッカーキング統括編集長・岩本義弘氏(フロムワン取締役)の記事を拝読したが、反論されているようで反証になっていない上、岩本氏自ら『ワールドサッカーキング』の記事がエアインタビューであると認めているような記述があり驚いている。

 以下、岩本氏の記事を引用する。

「まず、ジダン監督だが、ホセ・フェリックス・ディアス氏が明らかにしてくれた詳細によると、ジダン本人とマンツーマンでインタビュー取材をした上で、ボリューム的に足りないところを、囲み取材及び記者会見のジダンの言葉から補足しているとのこと。もちろん、囲み取材及び記者会見にはホセ・フェリックス・ディアス氏も同席しており、また、そこでのジダンの言葉をインタビュー記事として日本のメディアに掲載することを、ジダン本人はもちろん、ジダンの代理人アラン・ミリアッチョ氏、レアル・マドリーの広報部長カルロス・カルバホーサ氏、そしてレアル・マドリー会長であるフロレンティーノ・ペレス氏にまで了承を得ていると教えてくれた」(以上、原文ママ)

 はっきりとインタビュー取材では足りない部分を囲み取材と記者会見の言葉で補っていると書かれている。当該の『ワールドサッカーキング』誌の記事を読むと、そうした説明は一切なく、一問一答形式で書かれており、あたかもすべてマンツーマンでインタビューが行われたようにしか読者からは読みとれないようになっている。囲み取材や記者会見という異なる状況や時系列で発せられた選手や監督の言動を混同してひとつのインタビュー記事として読ませるのは、れっきとした読者を欺く行為である。インタビュー記事というのは雑誌の華であり肝である。だからこそどの媒体もなかなかとれないアポイントを懸命にとろうとする。囲み取材や会見を手っ取り早く加工して「インタビュー記事です」と誌面に掲載するなど言語道断である。氏はメディアの内情をつらつら書き連ねているが、だからといってやっていいことと悪いことがある。明らかに一線を越えた行為である。

 まさか、そうした記事を本当に「インタビュー」だと思っているわけではあるまい。

 本誌で再三再四指摘してきたとおり、これこそが典型的なエアインタビューの手法のひとつであり、『ワールドサッカーキング』など、各誌の編集長、編集局長を歴任されフロムワンのメディアを統括されている立場の氏がそうした構成記事をインタビューとして掲載することを「読者を欺く行為」であると感じていないことは大きな問題である。

『フットボール批評』ではエアインタビュー問題に警鐘を鳴らし、毎号追及してきた。こうした悪しき慣習を放置するのは出版界、サッカー界にとって百害あって一利なし、だからである。田崎氏と我々がどのように取材を重ねたのか、問題の背景に何があるのか、そしてどのような思いをもって追及しているのか、ぜひ多くの人に知っていただきたいという考えから、本誌で2号にわたって追及した田崎氏の原稿を近日中に全文公開する。

 本記事の反響は大きく、多くの情報提供がある。エアインタビューが一刻も早く消えることを強く願っている。

フットボール批評編集長・森哲也

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