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日本代表 8年前

浅野拓磨が日本の「切り札」になるために必要な「結果」。豪州FWケーヒル、実績に裏打ちされた信頼

text by 舩木渉 photo by Getty Images

浅野を新時代の旗頭に。求められる進化

浅野拓磨
浅野拓磨が日本代表新時代の旗頭に【写真:Getty Images】

 いま、日本代表でハリルホジッチから本当の意味で頼られているのは「我々にとって非常に重要な存在」と言わしめた本田圭佑くらいだろう。

 だが本田の時代はそう長く続かない。年齢的にもパフォーマンス的にも数年後に今と同じレベルを保てている保証はない。日本代表がロシアW杯に出場するためには、背番号4を超える“ゲームチェンジャー”の誕生が求められている。

 先発出場でも、途中出場でもいるだけで会場全体の雰囲気を「必ず何かが起きる…」と思わせるほど変える選手が必要だ。浅野はそうなれるだけのポテンシャルを秘めている。

 アーセナルへの移籍が決まる直前、U-23日本代表として五輪前国内最後の壮行試合を終えた後、浅野は「どこに行ってもできる自信はあるし、行ったらどうなるのかなというイメージは持っている」と語った。

 若さに似合わずメディアに対しても受け答えは常にクレバーで、自分の内面を冷静に分析し、言語化できる。経験を積めば言葉の力で人を動かすことのできる優れたパーソナリティを持った選手になるだろう。

 ケーヒルのように特別な能力で怖さを演出でき、常に成長への意欲に溢れる。周りを巻き込んでポジティブにさせるパーソナリティも備える。足りないのは明確な結果だけ。印象に残るゴールを決め続けることだけだ。

 ドイツでチャレンジを続けた暁に、浅野は日本代表の次世代を担う旗頭として、一騎当千の“ゲームチェンジャー”として他国を恐怖のどん底に陥れる存在へと進化を遂げるだろう。そして逆風を切り裂くほどのスピードでロシアW杯への道をこじ開ける。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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