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日本代表 7年前

【識者の眼】柏木・大島ではなく井手口・永木を選んだ理由。ハリルが描く理想のボランチ像とは?

text by 河治良幸 photo by Getty Images

資質を評価されている井手口

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ふくらはぎの負傷もあり選出外となった大島僚太【写真:Getty Images】

 柏木の相手ディフェンスの裏に正確なボールを入れるセンスや正確なサイドチェンジは日本に攻撃の幅をもたらしてくれるし、大島のスルーパスやタイミングの良いミドルシュートは確実に武器になるものだ。

 もちろん状況によってビルドアップから変化を加えることが有効にもなるわけで、それらの能力を備えることが邪魔になることはない。ただし、その前に要求されるスタンダードを満たし、その上に得意なプレーを効果的に加えられる選手でなければ代表に残っていけない。

 大島は左ふくらはぎの負傷でこの2試合を欠場しており、柏木もここ最近のコンディションが評価に影響している部分もあるかもしれないが、最終予選を戦う上で攻守に課題があることは確かだ。

 井手口についてハリルホジッチ監督は「前に行くことができるクオリティを持った選手で、点を取ることもできる。井手口は毎試合どんどん伸びている。ボールを奪ってからつなぐパスも、背後へのパスも良い」と評価しており、20歳という若さから将来性も見込んでいることを明らかにしている。もちろん今回の選考をもってボランチの序列が決まったわけではないし、井手口も現時点で資質を評価されているにすぎない。

 ただ、今回は親善試合のオマーン戦があり、そこで規定通りなら先発と途中で最大17人の選手をテストすることができる。そこからコンディションの良い状態でホームのサウジアラビア戦に臨めるという最終予選の中では理想的なスケジュールであり、井手口にとっても、他のポジションのフレッシュな選手にとってもチャンスであることは間違いない。

(取材・文:河治良幸)

【了】

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