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長谷部、欧米人選手に劣る日本人のボール奪取力を懸念「かなり差がある」

text by 編集部 photo by Getty Images

長谷部
長谷部誠【写真:Getty Images】

 日本代表は9日、キリンチャレンジ杯のオマーン戦(11日)とロシアW杯アジア最終予選のサウジアラビア戦(15日)に向け、茨城県内で練習を行った。

 所属クラブでは最終ラインに入るなど、新たな一面を見せている長谷部誠。しかし「日本代表で求められていることとちょっと違うので、切り替えはしっかりしなきゃいけない」と、気持ちを代表モードへとシフトしている。

 今回のメンバーにいわゆる司令塔タイプの選手はいないが、キャプテンの長谷部はそこからヴァイッド・ハリルホジッチ監督が持つ選手起用についての考え方を読み取っている。そして自らの役割もより明確になったようだ。

「選手の選考から見られる監督のやりたいサッカーを感じ取ることはできる。(山口)蛍だったり井手口(陽介)、永木(亮太)はどんどんゴール前にも入っていく。ポゼッションでうまくボールを回して、という選手がボランチで選ばれているわけではないが、ゲームをコントロールするというのはやらなければいけないこと。自分の特徴を出しながらもやっていかないといけない」

 さらに「サウジアラビアは中盤にドリブルが好きな選手がいる。そういう選手に対してボールを奪う能力が求められていると感じる」と話した。

「日本人選手のプレッシャーに行く距離感、球際でしっかりボールを奪うというものは、ヨーロッパのトップレベルと比べればかなり差があると個人的には思う」と長谷部が言うように、日本はボール奪取に関して世界標準に達していない。長谷部を含めたボランチ陣がどのようなパフォーマンスを見せるか注目だ。

 また今回はFWの大迫勇也が招集されている。このストライカーの活躍を長谷部は期待している。

「サコ(大迫の愛称)はこの前の試合でやっていても、相手にとって一番嫌な選手だった。裏にも抜けるし、引いてボールを受けるし、サイドにも流れる。彼の良さはボールをキープできることだったりとかだと思うので、彼が入ることによって新しい形が生まれるんじゃないかなと」

 リオデジャネイロ五輪出場メンバーのA代表入りも少しずつ増えてきているが、「若い選手たちには伸び伸びとやってほしい」という。そして「プレッシャーは経験ある者が背負うものだと思うし、いい意味で刺激を与えてほしい」と、重圧は自身を含めベテランが受け止める意思を示した。

(取材:河治良幸、文・構成:編集部)

【了】

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