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酒井宏樹が語る、欧州の守備文化。ドイツもフランスも「ドリブラーに対して下がらない」【インタビュー】

text by 小川由紀子 photo by Yukiko Ogawa,Meryll Vian / OM.net 2016,Getty Images

ハリルとフランスサッカー談義も

酒井宏樹はドイツとフランスでプレーし、日本との守備文化の違いを痛感しているという
酒井宏樹はドイツとフランスでプレーし、日本との守備文化の違いを痛感しているという【写真:小川由紀子】

―――早めに危険の目を摘む方が理にかなっている気はしますが……。

 ヨーロッパに来てからでないとそのやり方はしなかったので、僕は日本でやっていたときは遅らせてましたね。「距離をとる」、という守り方で僕も育っていたので。「間合いをとる」というか。そこの感覚がこっちはないのかな、と思いました。

 僕がボールを持ったときも、ドイツではすぐにパッとプレスに来て、向こうの選手は止まらないでそのままガッとくるから、一人抜いたとしても、その抜いたときのボールタッチが大きければ次の人にやられてしまう。でも、逆に綺麗に抜けたときにはそれがすごく大きなチャンスになったりもする。

―――マルセイユに移籍する前にハリル監督にアドバイスをもらった、とおっしゃっていましたが、10月の代表合宿のときにも監督とは話を?

 けっこうしゃべりました。フランス語では片言でしかしゃべってないですけど通訳さんを通して。ハリルさんはPSGの監督だったので、PSG対マルセイユの試合について話したり。「俺は全部勝ったけどね」って言ってました(笑)。それくらい有名な試合だから、出られるのはいいことだ、と。

 ハリルさんは要求が高い監督なので、それについていけるようにしたいですし、監督が求めるようになりたい、と思う。(監督の要求が厳しいと)常に上を求めていけるというか、そのレベルに近づきたいと思ってやるので。

 ルーズな上司より、厳しい上司のほうが日本人はついていくと思います。そういう意味でも、みんないろいろな刺激をもらって代表から帰ってくる。

 それにいろいろな選手と話して、食事に気を使っていることとか、この選手は何を取り入れているとかそういう話もしますし、代表の活動はすごくいいな、と思いますね。

(取材・文:小川由紀子【マルセイユ】)

【了】

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