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Jリーグ 7年前

最終節を前に3位転落の松本山雅。三つ巴のJ1自動昇格争い。未曾有の大混戦、決戦の時は迫る

年間42試合を戦う長丁場のJ2は、いよいよ20日に最終節を迎える。首位の北海道コンサドーレ札幌を、勝ち点3差で清水エスパルスと松本山雅FCが追う未曽有の大混戦。3チームすべてがJ1へ自動昇格する可能性を残したなかで、敵地に乗り込んだ12日のFC町田ゼルビアとの第41節で実に17試合ぶりとなる黒星を喫し、得失点差でエスパルスの後塵を拝する3位に転落した松本山雅の試合後の反応から、運命の最終節を占ってみた。(取材・文:藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

3チームに絞られたJ1自動昇格争い

 残りはわずか1試合だというのに、優勝チームはもちろんのこと、J1へ自動昇格できる2チームも決まっていない。勝ち点3差のなかに3チームがひしめき合う大混戦のまま、J2戦線が運命の最終節を迎える。

 そろって41試合を終えて、勝ち点84で首位に立っているのは北海道コンサドーレ札幌。その背中をともに昨シーズンはJ1を戦った清水エスパルスと松本山雅FCが同81で追い、得失点差で大きくリードする前者が2位につけている。

 4位のセレッソ大坂が勝ち点75なので、優勝及びJ1自動昇格争いはこの3チームに絞られた。このうち1チームがJ1昇格プレーオフへ回る。第40節までのそれぞれの戦いの軌跡を比較すれば、文字通りの天国と地獄とを隔てる戦いが演出された要因は三者三様であることがわかる。

 首位を独走し、2位以内を確定させるのは時間の問題と見られていたコンサドーレは、第36節以降の5試合で1勝1分け3敗と大失速。けが人の連鎖でチーム力が大幅にダウンし、一気に勝ち点を詰められた。

 対照的にエースのFW大前元紀が肋骨骨折及び肺挫傷の大けがから完全復活したエスパルスは、終盤戦に入って無類の強さを発揮。大前と元北朝鮮代表FW鄭大世が5試合連続のアベックゴールを決めるなど、第34節のセレッソ戦から白星を7つも並べる怒涛の追い上げ体勢に入った。

 そして、松本山雅はリーグ最少失点の堅守とセットプレーという「伝家の宝刀」で負けないサッカーを展開。第25節のV・ファーレン長崎戦から、従来のチーム記録を大幅に更新する16試合連続無敗を継続。この間に9勝7分けの星を残し、2試合を残してついにコンサドーレと勝ち点で並んだ。

 迎えた12日の第41節。予期せぬドラマが起こる。敵地でジェフユナイテッド千葉と対戦したコンサドーレは、1点をリードされたまま後半に入る苦しい展開のなかで26分にエース都倉賢が同点弾を、アディショナルタイムの50分には途中出場のFW内村圭宏が劇的な勝ち越しゴールをゲット。首位をキープするとともに、最終節は引き分けでも優勝と5シーズンぶりとなるJ1昇格を決める状況にこぎつけた。

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