フットボールチャンネル

CL不参加が逆にいい!? 充実のチェルシーが受けた大きな恩恵と小さなダメージ

text by 山中忍 photo by Getty Images

17得点0失点で6連勝。好調の要因は練習の賜物

コンテ
チェルシーのアントニオ・コンテ監督【写真:Getty Images】

 3シーズン前、ブレンダン・ロジャーズ体制2年目のリバプールが演じたプレミア優勝争いも、通年でリーグに注力できる状況が予想以上の躍進を可能にした理由の1つだった。

 コンテ体制1年目のチェルシーは、計5失点でリーグ戦2連敗を喫した9月後半に指揮官が決めた3-4-3システム採用が奏功している。優勝候補の資格を疑問視され始めていたチームは、続く計17得点無失点でのリーグ戦6連勝で有力候補へと株を上げた。

 但し、その基本システムが「開幕前の構想とは違っている」ことはコンテ自身が認めている。「4-2-4が適していると考えていた」というプレシーズン中には、オプションとして時間を割くこともなかったという。開幕後に取り組むしかなかった新システムは、リーグ戦以外は練習に集中できている環境の賜物だ。

 3-4-3で並ぶ先発イレブンは導入2戦目から不動。この顔ぶれの固定と機能の安定を得ることは途中にCL戦があれば難しかった。

 6戦目に当たる11月20日の12節ミドルズブラ戦(1-0)での戦いぶりは、最高潮ではなくても主導権を握り続け、メディアで「王者風」と評された。攻撃的でもあり、普段はロースコアを好まないアブラモビッチも納得の「1-0」勝利だったのではなだろうか?

 コンテは、「明日(日曜)は選手に休みを与えてから、次のトッテナム戦に向けて練習再開だ」と笑顔でコメント。前向きに「CLのないメリット」を最大限に活用しながら、即CL復帰を期す新チェルシーのハードワークが続く。

(取材・文:山中忍【ロンドン】)

【了】

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top