好調リバプールに浸透する“クロップ・イズム”。現地記者が見た“兄貴分”の人心掌握術とは

2016年11月29日(Tue)11時50分配信

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo Getty Images
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選手たちと絶妙な距離感も保つ“兄貴分”

ヘンダーソン
キャプテンのジョーダン・ヘンダーソン【写真:Getty Images】

 今季は過去数シーズンよりも中盤の低い位置でプレーし、守備と組み立ての面で欠かせない存在のジョーダン・ヘンダーソン。主将でもある彼は指揮官について、「みんなをよく知っている。各自がどのようにリアクションするか、どのように接すればベストを導き出せるかを理解しているんだ」と分析する。

「(チェルシー戦でスーパーゴールを決めた)試合後に話をした際、言われたのはどのようにプレーを改善するかだった。試合中のどの局面でどうすればもっと良かったのか、次の試合のためには何をすべきかを教えられたよ」と本人が話したとおり、優等生タイプのヘンダーソンの場合には、褒めるだけではなくさらなる向上心を煽る方法を使うようだ。

 そんなクロップの形容する言葉として“兄貴分”とよく言われるが、プロフェッショナリズムが非常に高く、選手たちとは絶妙な距離感も保っているとピアーズ記者は観察する。そのため、「練習でも週末のピッチの上でも、選手は緊張感を保って手を抜かない。エネルギー全開で駆け回っているよ」。そしてこの全力で走り回るプレースタイルこそが、リバプールの好調の一番の要因である。

 それではどのようなチーム構成になっているのか見ていくことにする。今季クロップが採用しているのは4-3-3。ゴールを守るのはロリス・カリウス。開幕直後はシモン・ミニョレが起用されていたが、9月後半から今夏に加入したカリウスに守護神の座を明け渡している。指揮官は、2013年に加入以来、一度も安定感がなかったミニョレについに引導を渡し、カリウスという若くて才能豊かなGKにゴールマウスを託すという英断を下した。

 またバックラインは右からネサニアル・クライン、ジョエル・マティップ、デヤン・ロブレン、ジェームズ・ミルナー。過去数シーズンにわたって、守備はリバプールの泣き所でもあったが、今季は大きく改善されている。その中心にいるのがマティップだ。機動力、試合を読む能力、足もとの技術の高さ、さらに空中戦の強さ。すべてが高水準の選手である。

 マティップに引っ張られるように、ロブレンは過去2シーズンに比べてミスが減少し、SBの2人は攻守に安定していて、機を見た攻撃参加はチームにとって重要な武器になる。

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