ローマ戦を楽しみにするモンテッラ監督「軽やかにプレーを」
「我々が上位対決に挑めることを嬉しく思うし、これはシーズン最初から頑張ってきたことの成果だ。選手たちにはこの状況を楽しみつつ、軽やかにプレーしてほしい」
11日、ローマ戦の前日会見でミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は語った。15節を消化して2位ローマと同勝ち点の3位。この成績に周囲はもちろんのこと、指揮官自身にとっても予想を上回る好成績であったというものだ。
ミランのようなクラブにとっては上位争いをして当然であり、勝つことは義務だと考える向きはあるかもしれない。すると「状況を楽しんで軽やかにプレーを」というモンテッラ監督の発言は真剣味を欠くようにも思われる。しかし、それは彼の発言の本意ではないだろう。
今季のミランの武器は若い選手たちの成長力そのものである。決して分厚いとは言えない戦力を用いながら、攻撃性とハードワークが両立した勝負強いサッカーを展開して、成績も付いてきた。
多くの選手にとって上位対決は慣れていないものだが、そこを重圧で潰すのではなく、はつらつとプレーさせるように仕向けている。このようなモチベーションのコントロールに、モンテッラ監督の手腕の一端が現れているようだ。
もっとも、いかにも挑戦者然とした発言の裏には、現実的な戦力の算段というものも見え隠れしている。現在のローマについてモンテッラ監督は「戦力も揃い、かつ試合中にも様々な戦術変更に対応が出来る、スクデットを狙って整備されたチームだ」と評していた。