本田に何が求められているのか?
本田に関して言えば、前節クロトーネ戦で短いながらも左サイドで攻撃のポイントを作り、FKで勝ち越しゴールに絡んだことが評価されたのだろう。そして当然、組織のバランスをとる役割が期待されているはずだ。
強力で戦い方も柔軟な今のローマに対しては、組織のバランスを崩してゾーンに穴を開けてしまうと致命的になる。特に対面の右には、爆発的な走力を備えるブルーノ・ペレスが立ちはだかる。ここでしっかりと守備をしつつ、攻撃を仕掛けられるかどうかは試合結果を左右する要素の一つとなるだろう。
先発して失敗した10節のジェノア戦では、攻撃面でのキレがなかったこともさることながら、戦術に沿った規律あるプレーという点でもいまひとつだった。それを払拭し、チームに貢献ができるかどうか。
負ければミランでの立場はさらに悪くなるに違いないが、勝利に結びつければ彼自身の今後についても色々な可能性が拓けることだろう。久しくフル出場から遠ざかっているため使われるのは60~70分ほどかもしれないが、最低限前節のようなプレーを安定して続けたい。
(取材・文:神尾光臣【ローマ】)
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