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ヴェンゲル、中国の現状をかつての日本とも比較。「ブラジル代表が大勢いたが…」

text by 編集部 photo by Getty Images

アーセン・ヴェンゲル
アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督【写真:Getty Images】

 アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督は、ブラジル代表MFオスカルの中国移籍が決まったことに「驚いた」と認めつつ、大物外国人選手が集まっていたかつてのJリーグの状況にも言及している。クラブ公式サイトや複数の英メディアが会見での同監督のコメントを伝えた。

 チェルシーに所属していたオスカルは、中国スーパーリーグの上海上港への移籍が濃厚となっていることが数日前から報じられていたが、23日に合意の正式発表が行われた。報道によれば移籍金は6000万ポンド(約87億円)という大金だとみられている。

 オスカルの移籍について見解を求められたヴェンゲル監督は、「確かにサプライズだ。歪んでいることだ」とコメント。「基本的にはサッカー選手であれば、リーグのクオリティーと報酬額の両方を求めるものだ」と述べ、中国への移籍は前者をないがしろにしているという否定的な考えを口にした。

 かつて日本の名古屋グランパスエイトを率いたこともあるフランス人指揮官は、現役ブラジル代表選手などが数多く在籍していた当時のJリーグの状況も振り返った。「(オスカルの移籍は)驚きだが、私が日本にいた時には、レオナルドやジョルジーニョ、ドゥンガなどのブラジル人選手が大勢いた。当時の彼らはビッグな選手たちであり、日本へと渡った。リーグはよく運営されており、トップクオリティーだった」とポジティブな評価を述べている。

「オスカルが移籍したのはプレミアリーグで出場していなかったからだ。中国は彼にそういうチャンスを与えるし、大きな投資も行われている」とヴェンゲル監督はオスカルの移籍に理解も示している。「プレミアリーグにとって将来的に問題になり得るかどうか? そうなるかもしれない」とも述べており、移籍市場において中国が今後も強力な競争相手となる可能性を認めた。

【了】

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