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チェルシー、コンテ流3バックで“不調”ともお別れ。驚異の13連勝で優勝争い最有力候補に【欧州主要クラブ中間査定】

シリーズ:16/17欧州主要クラブ中間査定 text by 山中忍 photo by Getty Images , Editorial Staff

連敗からクラブ新記録の13連勝。アザール、コスタらも復活

アザール
優勝した一昨季のような活躍を見せるエデン・アザール【写真:Getty Images】

 昨年9月を以て、今季のチェルシーはパフォーマンスもムードも低調だった昨季の姿に別れを告げた。転機到来は連敗を喫した6節アーセナル戦の後半。前節リバプール戦から計1得点5失点となった攻守のバランスを改善すべく、コンテは4-2-3-1から3-4-3へのシステム変更に踏み切った。

 新監督が祖国イタリアで実績を得ていたシステムは、新任地でも持ち駒の能力を最大限に引き出す手段となり、基本化された翌節からクラブ新記録となるプレミア13連勝という驚くべき成果をもたらした。

 その間、ほぼ不動のスタメンで邁進したチームは32得点4失点というハイレベルな安定ぶり。連勝中に10試合を無失点で終えた守備陣では、3バック中央に適所を見つけたルイスが見違えるほど的確な守りを披露していた。

 攻撃陣では、ウィングバックの存在がアウトサイドでの守備の負担を軽減し、頻繁に中央に流れる自由を与えたエデン・アザールが、一昨季と同様にワールドクラスの攻撃能力を発揮し始めた。チャンス供給を信じて待てるようになったコスタも、リーグ得点王を争う高い決定力を再び見せるようになった。

 13節トッテナム戦と続くシティ戦では、激しいプレッシングと果敢な攻撃姿勢にアロンソとビクター・モーゼスの両ウィングバックが攻守に苦戦したが、コスタがリンクアップにフィニッシュにと一線級の働きで逆転勝利に漕ぎ着けた。

 18節では、そのコスタと共に必殺の速攻カウンターに欠かせないカンテも出場停止で欠いたが、1ゴールを遥かに凌ぐ影響力を示したアザールの活躍でボーンマスを3点差で料理。優勝争いにおける開幕前のダークホースは、最優有力候補として前半戦を終えた。

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