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Jリーグ 7年前

磐田、中村俊輔獲得による化学反応。高次元の所作言動が日常に。絶大な若手への影響

text by 青木務 photo by Tsutomu Aoki, Getty Images

「『いい若手いるな』と思ってもらえるように」(小川航基)

 小川航基は、桐光学園の大先輩の加入に目を輝かせる。ルーキーイヤーの昨シーズンは始動直後から早速、味方にボールを要求するなどストライカーとしての貪欲さを見せていた。その姿勢は中村俊輔に対しても貫くつもりだ。

「要求すれば自分を見てもらえると思うし、そうすれば得点も増えてくる。『いい若手いるな』と思ってもらえるようにどんどん要求して、自分の良さを出していければ」

 U-20日本代表のエースストライカーでもある小川は、日の丸を背負った時には多くの試合で得点を挙げるなど、そのパフォーマンスは素晴らしかった。一方、磐田では出場した公式戦でシュートを打てずに終わるなど、プロ1年目は消化不良の出来に終わった。

 それでも「若手の育成も俺に課された使命」と話す名波監督は、次代を担う若武者の成長を促そうとしている。それは今シーズンに向けた補強を見れば明らかだ。

 昨シーズン14得点を奪ったジェイなど3人のCFタイプが退団したが、このポジションで磐田が新たに獲得したのは川又堅碁のみ。単純に頭数が減ったが、指揮官は「航基もいるし若い選手に蓋をしたくない」と、現時点ではこれ以上最前線の選手を獲得しない意思を明かしている。

「期待してもらっているのは本当によくわかる。その期待を裏切らないよう、自分の良さを出していきたい。去年は何も貢献できなかったし、今シーズンは勝負の年。終わった時に自分の年だったと言われるように、試合に出続けなければいけない」

 小川は2年目の爆発を見据え、気を引き締めた。

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