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バルサ育ちの天才MF、横浜FM移籍か。起用法に不満抱えレッドスター退団決意

text by 編集部 photo by Getty Images

バブンスキー
バルセロナ時代のダビド・バブンスキー【写真:Getty Images】

 マケドニアメディア『Ekipa』は19日、セルビア1部のレッドスターでプレーするマケドニア代表MFダビド・バブンスキーが横浜F・マリノスへ移籍すると報じた。これに続いてセルビアの『Mozzart』など複数メディアが続いている。

 バブンスキはかつてバルセロナの下部組織に所属して将来を嘱望されたMFで、Bチームの一員としてスペイン2部でプレーした。リオネル・メッシやアンドレス・イニエスタらがいるトップチームの練習にも参加した経験がある。

 父親は1996年から1998年にかけてガンバ大阪に在籍したボバン・バブンスキーで、2歳下の弟ドリアンはレアル・マドリーの下部組織で育ち、現在スロベニア1部のオリンピア・リュブリャナに所属している。

 2016年1月にバルサBからレッドスターに加入したバブンスキーは、今季リーグ戦5試合の出場にとどまっていた。移籍から半年はある程度の出番を得ていたが、シーズンが変わってからベンチ外になる試合が増えて限られた活躍の場しか与えられていない。

 そこで今冬の移籍市場ではトルコのブルサスポルと、弟が所属するオリンピア・リュブリャナが獲得に関心を示していた。しかし、本人はレッドスターとの契約を解除した上、フリーエージェントで横浜FM移籍を決断したという。

 バブンスキーは右利きながら左足のキックも苦にしないテクニカルなセントラルMFで、細かいタッチで相手の守備をすり抜けるようにボールを運び、意外性のあるラストパスを供給する。視野が広く、いかにもバルサらしい技巧派だ。その身のこなしはイニエスタに近い。

 しかし、そのスタイルがレッドスターの監督の哲学に合わないことから移籍を考え始めたという。バブンスキーは、自らのインスタグラム上にファンへの別れのメッセージを公開している。そこには感謝の言葉とともになかなか出番を得られない状況での葛藤や、給与未払いに対する不満などが記されていた。

 いいプレーをしても継続的に起用されず自分の能力を正当に評価されなかったことや、自らのスタイルと正反対のプレーを要求する監督に嫌気がさしたことがレッドスター退団の大きな理由になったようだ。給与未払い以外のチームの環境面は素晴らしかったとも述べている。

 バルサ退団から約1年が経ち、プライドを打ち砕かれてから様々な困難に立ち向かって成長を遂げた青年が新たな一歩を踏み出そうとしている。その行く先が日本となれば、Jリーグは大いに活気づくだろう。

【了】

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