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現役引退のランパードへ捧ぐトリビュート。チェルシーの伝説を紐解く5つのエピソード【編集部フォーカス】

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

クラブ史上初のCL優勝。数多の試練を乗り越え奇跡の栄冠

ランパード
CL決勝ではキャプテンマークを巻き、クラブ史上初の優勝に貢献した【写真:Getty Images】

 アンドレ・ビラス・ボアス監督に率いられたチェルシーは、大きなスランプに陥っていた。チャンピオンズリーグ(CL)ではグループステージを突破したものの、ベスト16ではナポリとの1stレグで1-3の完敗。リーグ戦でも首位マンチェスター・シティに勝ち点20を離され、ビラス・ボアス監督は解任となった。

 後任はアシスタントコーチだったイタリア人のロベルト・ディ・マッテオ。そして、就任10日後にナポリをホームに迎えたCLベスト16・2ndレグでチェルシーの逆襲が始まる。2戦合計スコア3-4で迎えた75分、PKのチャンスをランパードが沈めて同点に。その後、延長戦でブラニスラフ・イバノビッチのゴールでチェルシーは逆転突破を果たす。

 準決勝ではバルセロナを破って2度目の決勝へ。しかし、バルセロナ戦の代償は大きかった。イバノビッチ、ラミレス、ラウール・メイレレスが累積警告、主将のジョン・テリーが一発退場によって決勝は出場停止に。アリアンツ・アレーナで行われたバイエルンとの決勝は、テリーに代わってランパードがキャプテンを務めた。

 圧倒的な劣勢ながらディディエ・ドログバの劇的なゴールで同点に追いつき、PK戦を制したチェルシーがクラブ史上初のCL優勝を遂げた。そして、“ビッグイヤー”のトロフィーを掲げることを許されたのはキャプテンマークを巻いたランパードである。

 数多くの試練を乗り越えて掴んだ栄光は、ランパードにとってもチェルシーにとっても特別な瞬間となったはずだ。

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