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本田圭佑 7年前

ミラン、2人退場から掴んだ奇妙な勝利。ボローニャの“自滅劇”を呼び込んだ3つの要因とは

ミランは現地時間8日、延期となっていたセリエA第18節でボローニャとアウェイで対戦。2人の退場者を出して9人で戦っていたミランだったが、試合終了間際に決勝点を挙げて1-0の勝利を収めるという、なんとも奇妙な試合だった。ボローニャのロベルト・ドナドーニ監督は「どんな悪夢よりもひどい」と“自滅劇”を嘆いていたが、ミランが9人で勝利を掴み取ったのには3つの要因があった。(取材・文:神尾光臣【ボローニャ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ミラン、2人が退場。ボローニャが圧倒的に有利も…

ACミラン
ミランは2人の退場者を出しながらも勝利を収めた【写真:Getty Images】

 ボローニャvsミラン戦の後半アディショナルタイムで、ボローニャGKダ・コスタが味方のCKに合わせるため前線へ上がる。実に奇妙なシーンだった。ミランは2人も退場者を出し、ボローニャにとって圧倒的に有利な展開となっていたはずだったからだ。

 前半のうちにガブリエル・パレッタが2度の警告を喰らって退場となり、ミランは後半を10人で迎えた。さらに後半14分、イエローを一枚もらっていたユライ・クツカが、不用意なレイトタックルでまた2枚目。ボローニャの優位は誰が見ても明らかだった。なのに彼らは0-1とされ、試合終了間際に捨て身で点を取りに行く羽目に陥った。

「今日の試合の結末は、今までに自分が見てきたどんな悪夢よりもひどかった」。試合後、ロベルト・ドナドーニ監督はそう嘆いたが、確かにボローニャの攻撃は酷かった。彼らの優位は明らかで、ピッチを広く使って揺さぶるボローニャの攻撃にミランの守備の人数は足りていない。しかし、マッティア・デストロやシモーネ・ベルディのシュートはことごとく明後日の方向に逸れた。

 いくら数的有利だろうと、ゴールを奪えなければカウンター一本で負けることがサッカーにはある。そして、そうなったということだ。今回の試合は、どうしようもない拙攻を続けたボローニャの自滅劇である。だがそれは一方で、ピッチに残っていたミランの選手たちが奮闘を続けたからこそ呼び込めたものでもあった。

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