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本田圭佑 7年前

ミラン、2人退場から掴んだ奇妙な勝利。ボローニャの“自滅劇”を呼び込んだ3つの要因とは

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

数的不利もミランが勝利を呼び込んだ3つの要因

ガブリエル・パレッタ
ガブリエル・パレッタは前半のうちに2枚目のイエローカードを受けて退場した【写真:Getty Images】

 彼らが勝利を呼び込めたポイントは3つある。まずは、守備ブロックを7人で築くことができたこと。パレッタの退場で4-4-1としていた彼らは、前述の通りクツカも失うことになる。モンテッラ監督はカルロス・バッカを下げ、アンドレア・ポーリを投入した。

 DF4枚、MF3枚、そして前線には俊足のジェラール・デウロフェウを一人残す。この7人で形成された守備ブロックが、集中を切らさずに密集を保っていたのだ。数的不利でサイドは明け渡すが、その分相手に吊り出されず、エリア内を固める。

 その結果、ボローニャが中央を崩してシュートに行くようなシーンは数える程しかなかった。もちろん、最終的な砦となるジャンルイジ・ドンナルンマの存在が大きかったことは言うまでもない。後半20分、外から中へとポジションを戻しながらラディスラブ・クレイチーのシュートを横っ飛びで止めたセーブは、1ゴールに値するビッグプレーだった。

 もう一つのポイントは、デウロフェウの存在である。バルサのカンテラ出身であるこの俊足FWは、一人でカウンターを演出した。裏へと走り、1対1で並走すれば必ず競り勝ち、ボローニャのDFラインに焦りを与える。11対9となった時点でCB1枚を削って点を取りに行ったドナドーニ監督の采配自体は妥当なものだが、連携を崩し結果的には痛手となった。

 そして後半43分、デウロフェウは右サイドのダッシュから中へと切り込み、DF一人を又抜きしてラストパスを送り込んで決勝点を導き出す。卓越したスピードに加え、50mほどの距離を疾走しても落ちない右足の精度。エバートンで出場機会に恵まれなかった男は、ミラン移籍3戦目にして重要な活躍をした。

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