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本田圭佑 7年前

ミラン、2人退場から掴んだ奇妙な勝利。ボローニャの“自滅劇”を呼び込んだ3つの要因とは

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

本田を気遣うポーリ「彼にも必ずチャンスは来る」

本田圭佑とアンドレア・ポーリ
本田圭佑と親交が深いアンドレア・ポーリ(左)【写真:Getty Images】

 最後のポイントは、中盤のハードワークだ。FWから一列下りたスソも、先発したMF3人のなかではただ一人残ったマリオ・パザリッチも、攻守両面で実に一生懸命動いていた。数的不利の場面でしっかり引いて中盤でラインを敷くのは勿論のこと、カウンターの場面では勇気を持ってデウロフェウのフォローに走った。

 決勝点のシーンで、確かにデウロフェウは味方が触りさえすればいいだけのボールをゴール前に流した。しかしそれは、パザリッチがしっかり走って詰めたからこそ得点として昇華したのだ。

 そして、中盤の見事なハードワークを演出したもう一人の選手は、交代出場で入ったポーリだ。入ってからは文字通り体を張って痛みを受けながら、ボールに喰らい付き、また前線へと攻め上がっていた。彼もしばらく出場機会に恵まれていなかったが、この日は非常に気持ちの入ったランニングを見せていた。

 ちなみにポーリは本田圭佑と仲が良く、両者が談笑している姿がよく見られる。この日も本田と話をしており、「彼は僕たちのことをとっても気に掛けている。彼にも貢献できるチャンスは必ず来ると願っている」とはポーリの弁だ。

 スソの活躍に加えて新戦力らの加入でより出場のチャンスは狭まった感はあるが、ポーリの言葉通りの執念を見せてチャンスを掴んでもらいたいものである。

(取材・文:神尾光臣【ボローニャ】)

【了】

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