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香川、ベンチ生活でもポジティブに努力。数字にこだわり「勇気を持ってやるだけ」

text by 編集部 photo by Getty Images

香川真司
香川真司【写真:Getty Images】

 ボルシア・ドルトムントは現地時間11日、ブンデスリーガ第20節でダルムシュタットと対戦し1-2で敗れた。

 4試合連続ベンチスタートとなった香川真司は1-1で迎えた後半途中からピッチに立ち、およそ30分プレーした。久々の出場だったが、心配された右足首の状態は問題なくコンディションもいいという。

 ドルトムントはチャンピオンズリーグ(CL)を見据えたターンオーバーを敷き、最下位のダルムシュタットに終始主導権を握られた。「入った瞬間から守備が上手くハマっていなかった」と香川は語る。

 そして香川が出場してから追加点を奪われて敗れた。「守備に追われる時間帯が想像以上に多かった中で、失点をしてしまったのは途中から入った選手としてすごく嫌な流れでした」と率直な気持ちも明かしている。

 試合中のシステム変更などにともない、香川は慣れないダブルボランチの一角も務めた。最終ラインから低い位置でボールを引き出して前に運んでいくプレーは見慣れないが、途中出場かつ負けている状況で自由に振る舞うのは難しい。

 香川本人も先発出場の機会が減っている中で、ベンチから流れを変える役割も「それはその楽しさがある」と受け入れている。
 
「もちろん責任は重大ですけど、相手が疲労した中で出られるというのはフレッシュな選手にとってすごくアドバテージがある。もちろん試合の流れに入る難しさは多少なりともありますけど、ただ、そこはネガティブに捉えていない」と指揮官から与えられた役割を全うする考えだ。

 だからこそ「今日のチャンスはモノにしたかった」という言葉にも悔しさがにじむ。

 次の試合は14日のCL決勝トーナメント1回戦1stレグのベンフィカ戦となる。過密日程が続くため、ダルムシュタット戦で出場時間が短かった香川に再びチャンスが回ってくる可能性は十分にあるだろう。

「攻撃的な選手であればこだわるのは数字ですけど、必ずそういうものを残すには段階がある。その段階は自分の中では練習から積んでいるつもりですし、後はそれを本番のピッチで表すために勇気を持ってやるだけだと思っている」

 苦しい時期はとにかく愚直に努力を重ねるしかない。香川の決意は実るのか。日々積み上げてきたものをピッチ上で発揮できれば、求める結果も自然とついてくるはずだ。

(取材:本田千尋【ダルムシュタット】、文・構成:編集部)

【了】

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