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レアル、難敵ナポリ相手に見せた勇敢さ。ハメス起用で攻撃は多彩に。これぞ正真正銘のCL【E・オルテゴの戦術眼】

15日、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16、レアル・マドリー対ナポリの1戦が行われ、ホームのマドリーが3-1で勝利した。サッリ監督率いるチームに先制点を許したエル・ブランコだったが、勇敢なスタイルで相手を凌駕し、逆転勝利をもぎ取った。戦術分析記事で人気を博すスペイン・マルカ紙のエンリケ・オルテゴ氏は、このゲームこそ正真正銘のチャンピオンズリーグだったと賞賛する。(文:エンリケ・オルテゴ【スペイン/マルカ】、翻訳・構成:江間慎一郎)

シリーズ:E・オルテゴの戦術眼 text by エンリケ・オルテゴ photo by Getty Images

精錬されたフットボール。攻撃的なプレーへの賛美

レアル・マドリーのジネディーヌ・ジダン監督
レアル・マドリーのジネディーヌ・ジダン監督【写真:Getty Images】

 これこそが正真正銘のチャンピオンズリーグである。レアル・マドリー、ナポリの組み合わせが生み出したものは精錬されたフットボールであり、また攻撃的なプレーへの賛美だった。

 攻守が激しく切り替わる展開は、監督を生業にする者にとって決して好ましいものではない。しかしテクニカルエリア以外の場所にいる者たちは、それに見入ってしまうわけである。

 服従させられはしないこのナポリを押さえつけるには、彼らと同じく攻撃に出る必要があるわけだが、マドリーは見事にそれをやってのけた。リスクを冒しながらも、自分たちが有する手段に確信を持って。互いに打擲を受ける中で、マドリーの方が圧倒的にゴールに近づいたのだった。

 この試合は、相手のプレーがなければ自分たちのプレーも成り立たないという戦術的な衝突だった。イタリアのチームを相手取るならば、そういった戦術面を掌握すること、少なくとも彼らと同じレベルに達していることが必要だ。それにイタリアのチームと言えども、そのじつ勇敢かつ大胆な攻撃を仕掛ける集団であれば、なおのことである。

 9分にロレンツォ・インシーニェの先制点が決まっても、ジネディーヌ・ジダン率いるチームが狼狽することなどなかった。むしろその逆で、誇りと良質なプレーでもって、しっかりとリアクションを見せた。

 カリム・ベンゼマはエレガントで、勇猛で、好戦的である最高のバージョンに立ち戻り、クリスティアーノ・ロナウドはサイドから内に切り込むプレーが極上なものであることを思い出させた。クリスティアーノに足りなかったのはゴールのみ。ただ決定機は手にしていた。

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