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アトレティコvsバルサ、収縮と拡散の戦い。潮目となった60分、高インテンシティ継続の限度【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

アトレティコの現在を象徴するような先制点

アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督
アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督【写真:Getty Images】

 拡散してスペースが十分あったにもかかわらず、バルセロナの攻撃は続けざまに2度も失敗していた。メッシのパスがカットされ、ブスケツのパスもミスになっている。3回目でようやくブスケツからメッシへ、メッシのパスは引っかかりながらラフィーニャへ。ラフィーニャのドリブルは囲まれて混戦になったが、こぼれ球を拾ったネイマールがシュート、これがまたDFに当たってスアレスが拾ってシュート、またまたDFに当たってラフィーニャが押し込んだ。

 アトレティコにとっては不運な失点かもしれない。しかし、それ以前に2度もバルセロナの攻撃を阻止しているのに、あっさりとボールを失っている。懸命に守っているけれども攻撃ができない。バルセロナのパスを何度も引っかけ、ブロックしながら、最後に押し込まれた失点は、アトレティコの現在を象徴するものだった。

 シメオネが動く。カラスコに代えてフェルナンド・トーレス。グリーズマンは右MFに下がり、ガメイロ&トーレスの2トップ。拡散を許してしまった以上、アトレティコの勝機はカウンターアタックしかない。足を使えるフレッシュなアタッカーが必要だった。

 アトレティコは伝家の宝刀、ゴディンのヘディングシュートで1-1に追いつく。コケのFKをニアで頭にかすらせた。このゴールの前、すでにルイス・エンリケ監督はラキティッチの投入を準備している。イニエスタを下げて、ラフィーニャをMF左へスイッチし、ラキティッチは右FWへ入る。とりあえず3-4-3はそのまま。

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