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アトレティコvsバルサ、収縮と拡散の戦い。潮目となった60分、高インテンシティ継続の限度【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

レアル、セビージャをたたき落とすパワーが感じられない一戦

決勝ゴールを奪ったバルセロナのリオネル・メッシ(左)
決勝ゴールを奪ったバルセロナのリオネル・メッシ(左)【写真:Getty Images】

 アトレティコはガメイロに代えてコレア。コレアは右サイドに置いてグリーズマンが再びトップへ。バルセロナの2枚目のカードは負傷したマテューとディーニュの交代。ラスト5分でセルジ・ロベルトからアンドレ・ゴメス。レギュラーにもサブにも右SBの本職がいない。

 残り3分、中盤中央のFKをメッシがゴール前へ蹴り入れる。アトレティコがクリア、ラキティッチが拾ってヘディング、ウンティティのキープからスアレスへ、スアレスのプルバックをメッシがシュート! これも直接は入らなかったがこぼれたところを自ら詰めて押し込んだ。

 終わってみれば2-1。前半に圧倒したアトレティコは、そこで点をとれなかったことが悔やまれる。60分を過ぎればバルセロナのゲームになるのはわかっていた。一方、バルセロナも内容には納得していないだろう。

 前半は相手の思うつぼ、後半に自分たちの形にしたとはいえ、それほどチャンスを作れていたわけではない。点のとり方はバルセロナというよりアトレティコみたいだった。この2チームに、レアル・マドリーとセビージャをたたき落とすパワーがあるとは感じられない一戦だった。

(文:西部謙司)

【了】

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