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セリエA 7年前

“銀行員”からCL16強監督。ナポリ率いるサッリとは何者か?異色の経歴歩む頭脳派指揮官の数奇な人生

イタリア・セリエAのナポリは、今季のUEFAチャンピオンズリーグでレアル・マドリーに惜敗するもベスト16進出を遂げた。チームを率いるマウリツィオ・サッリ監督は若手指導において高く評価されているが、実はプロ選手の経験はないどころか、元銀行マンという異色の経歴を歩んできている。一体サッリ監督とは何者なのだろうか。その数奇な人生を辿ってみよう。(文:神尾光臣【ミラノ】)

シリーズ:○○とは何者か? text by 神尾光臣 photo by Getty Images

CLではベスト16に進出。ナポリの監督は“元銀行員”!?

マウリツィオ・サッリ
ナポリを率いるマウリツィオ・サッリ監督【写真:Getty Images】

 レアル・マドリーに敗れてUEFAチャンピオンズリーグの敗退が決まったナポリだが、その後はきっちり締め直し、格下相手とはいえリーグ2連勝を挙げた。

 第28節クロトーネ戦(3-0)後の記者会見で、マウリツィオ・サッリ監督はこう語った。

「難しい試合だった(コッパ・イタリアで)ユベントス、ローマ、そしてレアル・マドリーと強豪との試合が続いたあとで順位が下のクラブと対戦すると、緊張が途切れる心配もあった。しかし選手たちは成熟したところを見せてくれた。もっともチームは、リーグ戦ではすでに良くやっている。(ゴンサロ・)イグアインがいないながらも、昨シーズンとはわずかの勝ち点しか劣っていないのだ」 

 確かに、今シーズンのナポリは良くやっている。イグアインのユベントス移籍によりCLとリーグ戦の両方で低迷が予想されていたが、蓋を開けてみれば成績は上々だ。

 アルカディウス・ミリクの故障もあってセンターフォワード不在の危機にはドリース・メルテンスをコンバートし、しかも点取り屋に大変身させて危機を乗り切った。そしてCLではグループリーグを首位で通過。レアル・マドリーには戦力差通りに敗れたが、少なくとも一時は相手を驚かせるような内容のサッカーは見せた。

 それにしてもこのサッリ監督、58歳にして実はセリエAの指導経験は今季でやっと3年目だ。もちろんCLへの挑戦は今シーズンが初めてだった。しかもプロ選手としての経験もないどころか、かつては銀行員を本業としていたアマチュア出身。異色の経歴を持つ指揮官は、どのようなキャリアを辿って指導力を磨いてきたのだろうか。

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