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「タイを過小評価してはいけない」とハリル。選手に気持ちの準備を要求

text by 編集部 photo by Wataru Funaki

ヴァイッド・ハリルホジッチ
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:舩木渉】

 日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は27日、翌日に行われるロシアW杯アジア最終予選タイ戦の前日会見に臨んだ。日本代表指揮官は、タイ戦を重要な一戦と位置づけ、選手たちに「頭の準備」を要求している。

 大きな山場と目されていたアウェイでのUAE戦で勝利した日本代表は、W杯出場権獲得に大きく近づいた。だが、「UAE戦のあとで気を緩めてしまったらプロとして失格だ」とハリルホジッチ監督は集中を切らさない。

 同指揮官はグループB最下位のタイ代表を「過小評価してはいけない相手。クオリティがあるチームだと思う」と分析。「全ての試合を見ているが、(0-4でタイが敗れた)イラク戦を除けば全ての試合ですごく良いプレーをしている。(2-2で引き分けた)オーストラリア戦は勝利まであと一歩だった。サウジアラビア戦もUAE戦も良いところまでいった」と感じており、「本当に高いモチベーションで臨まなければいけない」と話している。

 「このチャンスを逃してはいけない」とハリルホジッチ監督。「埼玉(スタジアム)が満員になることは分かっている。ダイナミックな雰囲気をつくることができる。サポーターの皆さんがさらに手助けしてくれるだろう。そういった雰囲気をつくってくれるから、このチャンスで失敗するようなことがあってはならない」を気を引き締めた。

 選手たちには「頭の中の準備と強い気持ちと集中力を見せろ」と伝えたという。FW陣に対しては「冷静さを保つように何人かに話した」とのこと。「できるだけ早くリードするに越したことはないが、点が入らなくても最後の最後まで冷静に。我々のクオリティに疑いはない」と述べている。

 さらに指揮官は、重要な勝利を収めたあとだからこそ、次のステップが大切だと熱弁。「アウェイでの勝利は自信や経験をもたらすと思う。勝ったことで新たな義務が生まれる。この勝利で満足してはいけない。続けることが大事なんだ」と語った。そして「明日、また新たな勝利が生まれ、さらに重要な義務が生じる。そうやってチームが成長していく。そうしてW杯へと向かっていく」と、日々の積み重ねが大事だと話している。

 「私は3年だが、W杯は4年かけて準備をしていくもの。一歩悪いステップがあれば、3年の努力が無駄になってしまう。我々は日本サッカー全体の未来も抱えている」と、ハリルホジッチ監督は責任の大きさを感じている。それでも「今まで以上にハードワークでこのプロジェクトに取り組みたい。これに失敗するような愚かなことはしないつもり」と自信たっぷりだ。

(取材:舩木渉、文・構成:編集部)

【了】

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