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セリエA 7年前

ミラノダービー、劇的ドローを生んだ要因。インテルはなぜ崩れたのか? 長友は守備で数的不利に

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ミラノの長所を消したインテル。速攻も面白いように機能

イカルディ
2点目を決めたマウロ・イカルディはミランの脅威に【写真:Getty Images】

 とりわけ、いつもなら組み立ての中心となる右サイドは、しっかり固められていた。スソに対しては、この日久々に先発起用された長友佑都が高い位置から張り付き、前を向かせない。攻撃時にはウイング並みに高い位置を取るダビデ・カラブリアにはイバン・ペリシッチが付き、ユライ・クツカがパスを回そうとすればジョフレイ・コンドグビアが断ちに来る。

 前回のダービーではストロングポイントとなった右サイドの攻撃が、この日は前半から機能不全に陥っていた。レガ・セリエAの発表した公式スタッツによれば、スソは8回、カラブリアは6回のボールロストを記録している。

 その一方で、持ち味の速攻も面白いように機能した。3バック気味に可変するミランの最終ラインを、相手選手が戻り切らないうちに縦への攻撃で破る。左ではペリシッチやジョアン・マリオがつないでボールを運び、右ではロベルト・ガリアルディーニの正確な縦パスに反応したアントニオ・カンドレーバがシュートを決める。

 縦横に動いて撹乱しながらゴールに迫るマウロ・イカルディはこの日のミランのCBにとって最悪の相手であり、実際全く動きを捕まえられずに追加点を決められている。

 強みは消され、弱点は狙われ、戦術面ではジリ貧のミラン。後半は攻めにかかっても、逆にカウンターでビッグチャンスを多く作られた。インテルはあと落ち着いてゲームを進めさえすれば勝ち点3は手中にできる展開だったのだが、それがなぜ崩れたのだろうか。

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