フットボールチャンネル

鉄壁ユーベに付け入る隙は? 2点先行の状況。モナコ相手に懸念材料があるとすれば…

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

バルザーリかクアドラードか。先発選手に現れる試合へのアプローチ

ユベントスのアッレグリ監督
ユベントスのアッレグリ監督【写真:Getty Images】

 同試合の後半で、ユーベはモナコに多くのシュートを打たれていた。もちろん2点リードして引き気味になればそれも当たり前のことで、攻められてもゴール前を冷静に固めてチャンスをつくらせなかったから、十分想定の上で試合をコントロールしていたとも言える。

 だがカウンターのチャンスでミスをし、前線でボールをキープできずにモナコに奪われ、さらに攻撃を喰らうというシーンも決して少なくはなかった。

 もし仮に、ユーベが終盤で不正確なつなぎによってボールを失い、モナコの攻撃の流れを切れないようだと、間違いが起こる可能性も出てくる。モナコ陣営が狙っているのはそこだ。前日会見でジャルディム監督は「理想は前半で1-0とすること。そして後半に賭ける」とゲームプランの一端を披露していた。

 前線にはキリアン・ムバッペがいる。スペースが消されて得意の裏抜けを抑えられ、「スペースのないところでのプレーがもう少し上手くなってくれないと」とジャルディム監督からも苦言を呈されていた。しかし、味方が強引に放ったクロスに反応して、2度のビッグチャンスを作ったのは他ならぬ彼だ。

 ユベントスにとっては、相手を調子づかせないためのゲームコントロールが90分を通してできるかどうかが鍵だ。1stレグでは相手の攻撃をスローダウンさせる組織守備が効いたが、その決行は引き続き重要。その上で、相手の勢いを断ち切るためのカウンターもより効果的に実行させたい。

 この意味において、選手起用や交代策もより重要なものになりそうだ。アッレグリ監督は「(アンドレア・)バルザーリか(ファン・)クアドラードかどちらを先発にするか迷っている」と会見で語っていた。つまり、2アシストと大活躍したダニエウ・アウベスを引き続きサイドハーフとしてやらせるか、それともバルセロナ戦2ndレグでドリブル突破から流れを切ったクアドラードにするかという選択を意味するものだ。どういうアプローチで試合に臨むのかは、この選択に現れると言えそうだ。

(取材・文:神尾光臣)

【了】

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top