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日本代表 7年前

【U20】久保・岩崎ら日本の猛攻実らず。選手たちが語るウルグアイ戦で1点が遠かった理由

text by 元川悦子 photo by Getty Images

決勝Tへ。イタリア戦は乗り越えるべきハードル

 ウルグアイ以上に強固な守備組織を誇る欧州の強豪にはひと工夫もふた工夫も凝らさなければ、1点をもぎ取ることはできない。そこをしっかりと頭に入れながら、日本はできる限り人数をかけていくべきだ。ウルグアイ戦のように1人ひとりがバラバラになってしまったら、それこそ相手の思うツボ。そうならないように、岩崎には攻撃のリーダーとして今一度、意思統一を図ってもらいたい。

 ウルグアイ戦では不発だったリスタートの精度を高めることも肝要だろう。小川と板倉滉(川崎F)をケガで欠く今、高さではどうしても相手を下回る。だからこそ、久保や堂安が蹴るセットプレーの精度がより重要になる。

 2010年南アフリカW杯のグループステージ第3戦・デンマーク戦でも、日本は1勝1敗・勝ち点3のところから本田圭佑(ミラン)と遠藤保仁(G大阪)が立て続けに直接フリーキック2発を蹴り込んでグループ1位通過を決めている。

 今回の日本と当時の日本は、状況が酷似している。久保と堂安が同じように直接フリーキックを決めることができれば、チーム全体が楽になる。彼らにはそれだけの能力があるだろう。

 いずれにせよ、カテナチオ(イタリア語で「門」の意味。転じてサッカーでは「堅守」を象徴する)を伝統とするイタリア守備陣を打開してゴールを奪うのは容易なことではない。高いハードルを超えて初めて日本は16強に進むことができる。

「小川がいなくなったのも含めてサッカー。そのハプニングに対して後手後手に回り、焦ってしまったら、今後も成功するのは難しい」と市丸も自戒を込めて話していたが、今大会最大の苦境を自分たちの力で乗り越えることが、未来への扉を開く絶対条件と言える。

 複数の決定機を作り出したウルグアイ戦後半を前向きに捉えつつ、岩崎・堂安・久保の3人がどこまでいい連携を見せられるか。そこを突き詰めて、最後の大一番に向かってほしいものだ。

(取材・文:元川悦子【水原】)

【了】

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