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【U20】日韓の決勝T進出で思わぬ効果。日本を応援する韓国ファン、好感度もアップ

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

韓国国民にあらわれた変化。日韓の活躍が大会を支えるか

サポーター
天安のスタジアムではイタリアと対戦する日本を応援する韓国人観客の姿も見られた【写真:Getty Images】

 単純な数値だけでない。観客席のあらゆるところで日本への関心があらわれた。第1試合が終わった直後、ちょうど日本の選手たちがウォーミングアップに出た頃だった。筆者が客席で日本語と韓国語を同時に使って話していると、周りにいた数名の韓国人観客が「久保建英とは誰ですか?」「今日は先発で出ますか?」と声をかけてきた。

 それに答えると、彼らは「あの小さい子が天才なんだね」「かわいい」などと話し始めた。ザンビアの試合を見にきたという韓国人の観客たちは「日本の試合を見たかった」と話し、会場から去っていった。

 試合中にも日本への好感は続いた。イタリアが2点を先制し、日本が追いかける展開になると、観客席で「日本、ファイト!」と誰かが叫んだ。あからさまに“応援”とまではいかなくとも、韓国人の口からそういった言葉を聞くのは珍しい光景だった。

 韓国でも確かに日本の記事はたくさん出ている。筆者も韓国メディア所属として堂安や久保の記事を書くことが多い。しかしその反響が、元々サッカーが好きな人たちではなく、サッカーにそれほど関心のない人たちから返ってくるのは実に興味深いことであった。

 そして同時に間違いなく韓国と日本がU-20W杯のブームアップをけん引しているという考えに確信が持てるようになった。筆者としては素直に日韓の活躍を祈るのみだが、両国がトーナメントを勝ち抜いていくことは大会主催者側としても切実な願いかもしれない。

 日本の活躍をもっと見たい韓国人が増えている、この変化はうれしい。U-20W杯のブームアップや日本への好感度アップ。この2つの意義のためにも、日本には最後まで勝ち残って欲しい。

(取材・文:キム・ドンヒョン)

【了】

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