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テロ犠牲者に黙祷しなかったサウジ、FIFAからはお咎めなし。「処分する理由はない」

text by 編集部 photo by Getty Images

サウジアラビア
オーストラリア対サウジアラビア戦の試合前の黙祷時の様子【写真:Getty Images】

 サウジアラビア代表の選手たちが、ワールドカップ(W杯)予選の試合前の黙祷に参加しなかったとして批判の対象となった一件で、国際サッカー連盟(FIFA)からの処分は下されないようだ。FIFAが声明を出したとして9日付の『ロイター通信』などが伝えている。

 ロシアW杯アジア最終予選で日本代表と同じグループBに入っているサウジアラビアは、8日にアウェイでオーストラリア代表と対戦。試合前には、3日にロンドンで発生したテロ事件の犠牲者を追悼するため1分間の黙祷が捧げられた。8名の犠牲者の中には、2名のオーストラリア人女性も含まれていた。

 だが、オーストラリアの選手がピッチ上に並んで肩を組み黙祷を行う一方で、サウジアラビアの選手たちは各自のポジションへ移り、ウォーミングアップのため体を動かしている者もいた。ファンやメディアからは、この対応に批判の声も上がっていた。サウジアラビアサッカー協会は、「選手は追悼に敬意を欠いたわけではない」と説明しつつ、謝罪の意を表明している。

 FIFAは問題の場面を確認した上で、処分を下すことはないと判断したようだ。「当該の試合のマッチレポートと映像を確認した上で、この件に関して規律処分を行う理由はないと表明できる」とFIFAによる声明が伝えられている。

 サウジアラビアの選手たちが黙祷に参加しなかった具体的な理由は、サウジ協会の謝罪声明でも述べられていない。一部報道によればサウジ側は、黙祷という行為がサウジの文化に適合しないとして参加を受け入れず、選手らにも黙祷が行われることを伝えていなかったとされている。

【了】

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