【戸田和幸の眼】トッテナム、戦力充実で飛躍の1年に。証明した特大のポテンシャル【16/17シーズン総括】

2017年07月03日(Mon)12時27分配信

シリーズ:16/17欧州主要クラブシーズン査定
text by 戸田和幸 photo Getty Images, Natsuki Nakazawa
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複数システム併用も…課題だった戦術的柔軟性

 3バックに関してもその形に対応できる選手がいたことが大きかった。中盤でも最終ラインでも高いレベルでプレーできる(エリック・)ダイアーがいるから機能したというのもあったでしょうし、(トビー・)アルデルヴァイレルトと(ヤン・)ヴェルトンゲンのセンターバック2人も、4バックと3バックを併用して立ち位置とお互いの距離が変わる中できちんと両方に適応できていました。

 3バックと4バックの併用は優秀な選手に高度な戦術的行動を与えられる指揮官がいて初めて成立するものですが、その両方が揃っていたからこその2位でのフィニッシュだったと思います。

 ここから先のレベル、CLの舞台を含めて成功していくためにはより柔軟な戦術行動をとれるようになるかが重要になると考えます。本当にレベルの高いチームになると、4バックで始めても試合展開によって途中から3バックに変えてビルドアップしたり、またはポジション毎に役割を変えたり、そしてそれを対戦相手の守備陣形に合わせて行うことができたりします。

 昨季のCLで言えばモナコとレバークーゼンという、戦術的に柔軟性を持ったチームと偏りはあるが際だった色を持ったチームとの戦いでは良いところなく敗れていますが、スパーズというチームは基本的に3バックで始めたら3バックのまま、4バックで始めたら4バックのままというところがあります。

 例えばS級ライセンスの研修中に観戦したエティハド・スタジアムでのシティとの試合で、スパーズは4バックと3バック両方の準備をしていながら実際の試合には3バックで臨みました。

 対するシティは4-3-3の布陣で前線の3人が猛然とスパーズの3バックに対しプレスをかけ、3バックのままビルドアップしようとしたスパーズは見事に封じられて自陣ペナルティエリア付近でのボールロストが多発するなど、いつ失点してもおかしくない展開がしばらく続きました。

 結局、前半30分過ぎたあたりでポチェッティーノ監督が4バックに変更してバランスを取り戻しましたが、そういったところについて今後どれくらいピッチ内の選手たちに裁量を与えつつ上手く対応していけるかが、スパーズのひとつの課題だと個人的には考えています。

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