いわきFCが示した異質の「フィジカル」。7部相当のクラブ、固定観念に抗う挑戦

第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会で衝撃を与えた、いわきFC(福島県代表)の快進撃が止まった。IAIスタジアム日本平で行われた12日の3回戦で清水エスパルス(J1)に0-2で屈し、北海道コンサドーレ札幌(J1)を撃破した2回戦に続くジャイアントキリングを逃した。もっとも、クラブが掲げるコンセプト「日本サッカー界のフィジカルスタンダードを変える」を随所で披露。7部に相当する福島県社会人リーグ1部で異彩を放つハードワーク軍団の挑戦は、まだ序章を終えたにすぎない。(取材・文:藤江直人)

2017年07月13日(Thu)11時52分配信

text by 藤江直人 photo Football Channel
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「本当に強かった。今後を応援したくなりました」(鄭大世)

いわきFC
いわきFCは天皇杯で印象的なパフォーマンスを披露した

 勝者の言葉には聞こえなかった。2-0の完封劇でベスト16進出を決めた直後の取材エリア。先発フル出場した清水エスパルスのキャプテン、FW鄭大世はいわきFCを称えずにはいられなかった。

「敵ながらあっぱれでしょう。いい時間帯にああいう形で点を取れなかったら、正直、どうなっていたか。いやぁ、いいサッカーでした。本当に強かった。今後を応援したくなりました」

 キックオフからわずか48秒で試合は動いた。左サイドからDF二見宏志が投じたロングスローを、187センチの長身FW長谷川悠がバックヘッドを一閃。反対側のゴールネットへ流し込んで先制した。

 2回戦でJ1の北海道コンサドーレ札幌を、延長戦に末に5-2で撃破。痛快無比なジャイアントキリングを達成し、全国区の注目度を集めたアマチュアクラブの雄もさすがに浮き足立ったのか。

 3分に長谷川、5分に鄭大世、9分にはMFミッチェル・デュークに制空権を握られ、決定的なシュートを放たれる。しかし、高さで劣勢に立たされる展開は織り込み済みだったと田村雄三監督は振り返る。

「こればかりは仕方ないと試合前から選手たちには話していましたし、だからと言って引いて守ってカウンターやセットプレーで点を取っても何も残らない。何点取られても自分たちのサッカーをやろうと」

 いわきFCが目指すサッカーとは、鍛え抜かれたフィジカルの強さを生かしながら、ボールを前へ、前へとしっかりつないでいくスタイル。そして、時間の経過とともに選手たちは落ち着きを取り戻す。

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