いわきFCが示した異質の「フィジカル」。7部相当のクラブ、固定観念に抗う挑戦

2017年07月13日(Thu)11時52分配信

text by 藤江直人 photo Football Channel
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必要以上に筋肉をつけてはいけないとする不文律

 J1を戦うエスパルスに対し、いわきFCが所属するのは福島県社会人リーグ1部。J1から数えて7部に相当するカテゴリーを戦うクラブは、昨年1月に異彩を放つコンセプトを掲げている。

 それは「日本サッカー界のフィジカルスタンダードを変える」――。約20億円をかけて建設された商業施設複合型のクラブハウス「いわきFCパーク」には、最新のトレーニング機器が完備。J1でもなかなかお目にかかれない、至れり尽くせりの環境が整っている。

 福島県いわき市を拠点として2012年に創設されたいわきFCは、翌年に「一般社団法人いわきスポーツクラブ」の設立とともに法人化。福島県社会人リーグ3部西から戦いをスタートさせた。

 一方でアメリカのスポーツ用品メーカー、アンダーアーマーの日本総代理店である株式会社ドーム(本社・東京都江東区)が、東日本大震災からの復興や地域の活性化を掲げて、2015年12月にいわき市内に物流センター「ドームいわきベース」を竣工させた。

 同時にドーム社はサッカークラブを立ち上げると宣言。「株式会社いわきスポーツクラブ」を設立して、いわきFCの運営権を一般社団法人いわきスポーツクラブから譲り受け、直前に湘南ベルマーレの社長を辞任していた大倉智を代表取締役として迎えた。

「僕自身がもともと、興行とは非日常的な空間のなかでお客様が『えっ』と思うような、大きな体の選手たちがやるべきだという考え方をもっていました。ヨーロッパやアメリカでは当たり前のこととなっているのに、Jリーグにいるとなかなかチャレンジできない環境にあったので」

 日本サッカー界には、日本人はもともと体が小さいがゆえに、必要以上に筋肉をつけてはいけないとする不文律があった。違和感を禁じ得ない状況で出会ったのが、アメリカンフットボールの全日本大学選抜チームのキャプテンを務めた経歴をもつ、ドーム社の安田秀一代表取締役だった。

 長年抱いてきた疑問が共有されるのに、それほど多くの時間は要さなかった。ドーム社のノウハウを生かしたフィジカルトレーニングと、専門の栄養士のもとで管理された食事を1日3食しっかり取りながら、肉体を徹底的に強化する――固定観念に抗う挑戦が幕を開けた。

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