ルーニーの完全復活に期待。エバートンへの帰郷が“暴れ馬”の野性を呼び起こす可能性【粕谷秀樹のプレミア一刀両断】

マンチェスター・ユナイテッドから古巣であるエバートンに復帰したウェイン・ルーニー。ユナイテッドではクラブ最多となる通算ゴール数を記録していたものの、昨季は出場機会が激減。復活を期しての移籍となる。イングランド屈指のストライカーは、勝手知ったる古巣のクラブで完全復活を遂げることができるだろうか。(文:粕谷秀樹)

2017年07月27日(Thu)11時26分配信

シリーズ:粕谷秀樹のプレミア一刀両断
text by 粕谷秀樹 photo Getty Images
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稀代のゴールゲッターによる〈第二章の幕開け〉

マンチェスター・ユナイテッドからエバートンに移籍したウェイン・ルーニー
マンチェスター・ユナイテッドからエバートンに移籍したウェイン・ルーニー【写真:Getty Images】

 ウェイン・ルーニーの本性は〈暴れ馬〉である。マンチェスター・ユナイテッドでプレーしていた当時は、〈名調教師〉サー・アレックス・ファーガソン〉に去勢されかけたこともあったが、凡庸なイエスマンにだけはならなかった。

 ファーガソンが弄した「あの子はトランスファーリクエストを提出した」という情報操作にも決して屈せず、ユナイテッドで確固たる地位を築いたのである。

 クラブの方針で近年は便利屋として使われ、ルーニー本人もコンディションを崩すケースが多かったものの、通算ゴール数はクラブ最多の253を記録し、個性派ぞろいのチームをキャプテンとしてまとめてきた。ユナイテッドの歴史に名を残す選手のひとり、といって差し支えない。

 それでも、ルーニーは必要とされなかった。新シーズンのFW陣はロメル・ルカクを中心に、マーカス・ラッシュフォード、アントニー・マルシアル、ヘンリク・ムヒタリアン、ファン・マヌエル・マタ、ジェシー・リンガード。年末、もしくは来年1月にはズラタン・イブラヒモビッチと再契約する予定であり、成長著しいアンドレアス・ペレイラも定位置争いに加わってくるだろう。ルーニーの居場所は完全に失われた。

 人間だれしも転機が訪れる。ルーニーの場合、もはやユナイテッドに残る意味はなくなった。彼を必要とし、ある程度の出場機会が見込まれるエバートンへの移籍は、古巣へのカムバックというノスタルジックな意味だけでなく、稀代のゴールゲッターによる〈第二章の幕開け〉だ。

 ユナイテッドを覆いつくす特異なプレッシャーではなく、「ローカルライバルのリバプールより1ランクでも上なら幸せ」という自由な感覚が、ルーニーの野性を呼び起こす可能性は十分すぎるほどあるだろう。ことし10月で32歳。まだまだ老け込む歳ではない。

「ルーニーは依然として世界でもトップクラスのアタッカーだ。試合数をこなしながらフィジカルフィットネスを整えていけば、20ゴールは期待できる」

 ロナルド・クーマン監督も、超大物の帰還を手放しで喜んでいた。

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