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柏木陽介「プロとして本当にやってはいけない失点」。さいたまダービー勝利逃し猛省

text by 編集部 photo by Getty Images for DAZN

柏木陽介
浦和レッズのMF柏木陽介【写真:Getty Images for DAZN】

 明治安田生命J1リーグ第20節が5日に行われ、浦和レッズと大宮アルディージャによる「さいたまダービー」は2-2のドローに終わった。

 浦和にとってミハイロ・ペトロヴィッチ前監督が解任されてから初めての試合は「展開的にも1-0で勝っていた」と、MF柏木陽介は語る。

「ボールを相手に支配されることもあったけど、チームとして最後のところはしっかり守れていたし、前半は特にシュートを打たせるような場面も少なかったので、よかったかなとは思う」

 確かに前半は浦和が主導権を握っているように見えた。FW興梠慎三のPKで先制し、1-0で折り返す。しかし、後半のひとつのプレーが試合の流れを大きく変えてしまった。

 柏木は「流れ的にはなんでもないようなところでミスをしてしまったのは、非常に大きかったと思う」と言葉に悔しさを滲ませる。それは66分の1失点目の場面だった。DF宇賀神友弥がリスタート時に味方へショートパスを蹴ったものの、受け手となるはずのDF遠藤航はボールから目を離しており、誰もいないスペースへのミスパスとなってしまった。

 その隙を見逃さなかった大宮のFWマルセロ・トスカーノはとっさの判断でボールをカットすると、右サイドに走ったFWマテウスへ渡す。パスを受け取った途中出場のストライカーは自ら仕掛け、カーブのかかった左足ミドルシュートをゴールに突き刺した。

「勝利を目指してプレーしている中で、そこで意思の疎通が出来ずに失点してしまうというのは、プロとしては本当にやってはいけない失点をしてしまった。非常に大きい失点だった」と柏木は痛恨のミスを悔やむ。

 直後に柏木が自らのゴールで再び勝ち越すも、88分に途中出場のFW瀬川祐輔にヘディングシュートを決められて2失点目。またしても勝利があと少しのところで手の中からこぼれていってしまった。浦和の背番号10は、DF遠藤航が瀬川をマークしていながらの失点について「不運なことも続いている」と振り返る。

 現在リーグ戦3試合勝ちなし。次の試合はすぐにやってくる。柏木は「何としてでも、みんなで戦って勝ち取った勝利というのが、今チームとして必要かなと思っている。それができる選手がいま試合にどんどん出て行くべきかなと思う。本当に試合の中で戦える、もちろんミスも試合の中であるから、そこでしっかり切り替えられる、大きいミスをしない、そういうところを一人ひとりが心がけてやっていくしかない」と語気を強めた。

 堀孝史新体制初勝利を目指すヴァンフォーレ甲府戦は、9日に予定されている。準備にかけられる時間は短いが、改善すべき点を見直し、チーム一丸となって勝利を取り戻したいところだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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