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イングランドに残るフットボールの原風景。利益求めず…8部クラブが目指す真の地域密着

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

求めるものは利益にあらず。ルイスFCが掲げるサッカー文化

フリーマン
ルイスFCのダレン・フリーマン監督。クラブOBであり、独自の運営手法に魅せられて古巣の指揮を執っている【写真:ショーン・キャロル】

 利益を求めるのではなく、サッカーを楽しむために全員が協力するという文化を保持しているため、再びプロリーグ昇格を目指して戦っていくような大きな計画は存在していない。だが女子チームは、女子スーパーリーグへの昇格に向けて着実に前進しつつある。クラブは最近、プロあるいはセミプロの舞台で戦う初めてのシーズンとなる今季から、女子チームにも男子チームと同様の支払いを行うことを発表した。

「このレベルではまだ、FA(イングランドサッカー協会)の規定でも、観客席にアルコールを持ち込むことが認められています」とミラー氏は、ルイスFCの男子チームについて今後の展望を語った。

「ボスティック・プレミア(1段階上のリーグ)でもまだ認められています。もうひとつ上へ上がってもまだ認められますが、制限が設けられています。それ以上高く上がると、クラブの様子は一変することになります。クラブのバーを持たなければならず、店外でのアルコール摂取は認められません。クラブを取り巻く動きが変化することになりますが、我々はそうなることを望みはしないと思います」

 フラムやブレントフォード、ブライトンでプロ選手としてのキャリアを過ごしたあとルイスFCでプレーした経験を持つダレン・フリーマン監督も、このクラブの手法に魅せられた一人だ。

「素晴らしい設備もあるし、素晴らしいファンたちもいる。彼らは毎週のように選手たちに声援を送ってくれる」と43歳の指揮官は、バージェス・ヒルに3-1の逆転勝利を収めた試合後に語ってくれた。

「若い選手たちがピッチに出て、やるべきことを正しくやろうとしても、ミスを犯すこともあるだろう。それは理解している。25万ポンド(約3600万円)の給料を受け取ってもミスをする者はいる。我々は若い選手たちを信じている。彼らが仕事をできれば、それをチームのために役立てることができる。それこそが大事なことだ」

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