名波ジュビロ、“疑惑の判定”で高まった闘志。「逆に火がついた」。川辺駿、勝利への執念

26日、明治安田生命J1リーグ第24節の試合が行われ、ジュビロ磐田はヴィッセル神戸に2-1で勝利した。24分に神戸DFがボールを手でかき出したもののハンドの判定が下されず、スタジアムが騒然となったこの一戦。“疑惑の判定”を受け、サポーターを含め磐田側のボルテージが高まる中、名波ジュビロの背番号40・川辺駿は燃え上がる気持ちを勝利への執念に昇華していた。(取材・文:青木務)

2017年08月29日(Tue)10時19分配信

text by 青木務 photo Getty Images
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「今シーズンで一番、サポーターに後押しされたゲームだったなと思う」(名波浩監督)

ハンドの判定が下されず主審につめよる磐田の選手たち
ハンドの判定が下されず主審につめよる磐田の選手たち【写真:Getty Images】

 何としても勝たなければいけない試合だった。

 今シーズン、ヤマハスタジアムで開催されるホームゲームは1試合を除いてチケットが完売している。毎試合、大歓声を受けて戦えることは選手冥利に尽きるだろう。スタジアムの雰囲気は常に素晴らしいが、この試合におけるサポーターのボルテージは異様なほど高かった。

「こんな展開になったので、『絶対に負けたくない』という気持ちを、ベンチメンバー、上で見ている選手達、もちろん(欠場した中村)俊輔も感じてくれたと思う。この夏休みラストゲームでどうしてもサポーターに勝利を届けなきゃいけなかったですし、個人的には今シーズンで一番、サポーターに後押しされたゲームだったなと思う」

“12番目の選手たち”が作り上げた最高のムードに、名波浩監督は感謝を口にした。また、敵将・吉田孝行監督もこう振り返る。

「後半のいい時間帯に点が入ったが、その後に失点するのがあまりにも早かった。相手のホームということで、そこからスタジアムの雰囲気がガラッと変わった」

 明治安田生命J1リーグ第24節。ジュビロ磐田はヴィッセル神戸と激突し、2-1と逆転勝利を収めている。

 決して簡単な試合ではなかった。前半立ち上がりのピンチを切り抜けると、磐田が攻勢を強めた。24分にはアダイウトンの放ったループシュートが絶妙なコースに吸い込まれていくはずだった。しかし、カバーに走った渡部博文にクリアされてしまう。映像を確認すれば手でボールを弾き出した“ように”見える。ハンドであれば磐田にPKが与えられるべきだったが、主審、副審ともにCKを指示。ジャッジが覆ることはなかった。

 レフェリーの判定は尊重されなければならない。Jリーグからのアナウンスがない現段階(本コラムを執筆した8月28日)で、あのプレーをハンドと断定することは避けたい。

 だが、磐田としてはやるせない思いだっただろう。冷静さを取り戻すには時間が必要だった。しかし、自然と増幅する闘争心がチームをより強固なものにしたとも言える。

「あの判定で逆に火がついた。負けたらもったいなかったし、前節のセレッソ戦で引き分けている中では、今日の試合で逆転できたことが非常に大きいかなと」

 仲間たちと同様、川辺駿もまた燃え上がる気持ちを勝利への執念に昇華させ、チームを牽引するパフォーマンスを見せた。

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