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代表 7年前

韓国、W杯出場へ崖っぷち。イランと失望のドロー。プレーオフすら逃す可能性招いた大失態

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

チームが機能しなかった2つの理由。ホームでの失態

 試合当日発表されたメンバーに驚くことはなかった。韓国が切れるカードはすべて切っていた。ファン・ヒチャン(レッドブル・ザルツブルグ)、ソン・フンミン(トッテナム)、クォン・チャンフン(ディジョン)の3トップはみなスピードや推進力を持っている選手たち。中盤にキ・ソンヨン(スウォンジー)が抜けるも、チャン・ヒョンス(FC東京)やイ・ジェソン(全北現代)、ク・ジャチョル(アウクスブルク)と技術に優れた選手を起用した。攻撃的な布陣だった。

 しかし実際に蓋を開けてみると、先発メンバーの組み合わせが機能せずもやもやとした感じが続いた。理由は2つ。下がったイランの最終ラインを破壊する工夫の足りなさ、そして最悪な芝の状態だった。

 2つの問題はコンプレックスだった。最初の15分はイランもゴールを狙おうと最終ラインを高めに設定していたが、あまりにも最悪な芝の状態でいつも通りのプレーが不可能であることに気づき、途中からは失点だけは避けようという戦術に切り替えた。これが効いた。

 韓国の3トップは全員足が速く、技術も持っている選手たちだった。積極的にドリブルを仕掛け、相手を崩すことに長所を持つ。だが、この日の芝は歩くだけで剥がれるほど最悪な状態だった。到底ベストなパフォーマンスが発揮できる環境ではなかった。

 選手たちの戸惑いが記者席まで伝わってきた。とりあえず前にボールを蹴り出して、前線で何とか打開しようとするパターンが続いたが、ブロックを敷いたイランの守備は堅かった。前線に個で打開できるタイプの選手がいない中、誰にボールが集まっても変わらなかった。

 後半7分にイランの選手が退場し数的有利になっても、韓国の戦い方は変わらない。後半22分になって196cmの長身FWキム・シンウクを投入したが、イランは徹底的なマークで彼を完全に封じた。素晴らしい集中力で攻撃を止めた。守備がよく整備されているというのは時間が経てば経つほど実感できた。

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