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日本代表 7年前

【識者の眼】本田圭佑、生き残りかけた戦いへ。絶対的でなくなった背番号4が示すべき存在価値

text by 河治良幸 photo by Getty Images

攻撃の選択肢を増やす本田の特性

 親善試合のシリア戦では途中から[4-3-3]の右インサイドハーフにポジションを移し、左サイドの乾貴士を生かすサイドチェンジなどで存在感を示した。しかし、オーストラリア戦で山口蛍と井手口陽介が見せたプレーを世界に向けたスタンダードと考えるならば、本田のインサイドハーフはオプション以上のものにはなりにくいだろう。

 右サイドでも浅野が見せたプレーを本田がそのままできるわけではない。しかし、本田には豊富な経験と安定してボールをつなげる強みがある。オーストラリア戦後に右サイドバックの酒井宏樹は「(いつもは)僕の前には(本田)圭佑くんがいるので、うまくコンビネーションを取ってくれる」と語っていたのが印象的だ。

「でも今日は(浅野)拓磨だったので、僕もコミュニケーションを取りながらやっていかないといけなかった」

 それでも[3-4-3]のオーストラリアは「やりやすかったですし、やり方的には(浅野)拓磨を使わせてくれた。前半1、2本かなりいい形で入れたので2人とも落ちついて入れたし、(試合の)最初から組んだのが初めてだった割には良かった」と酒井宏樹は振り返るが、相手にうまくはまらないとそのまま特徴が出しにくい縦のコンビにも思える。

 その点において本田は右サイドバックの選手を高い位置まで引き出すプレーを得意とし、酒井宏樹とのコンビネーションにしても、最近は外を上がらせるだけになく、インサイドから直接ゴールに向かわせるプレーも促しており、攻撃のバリエーションは多彩になっている。

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