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好調マンUとご機嫌なモウリーニョ。スペシャルワンに戻った智将、赤い悪魔に復活の予感

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

教え子が明かす言葉の意味。勝って兜の緒を締めよ

ランパード
フランク・ランパード氏はチェルシー時代に指導を受けたモウリーニョ監督の言葉の意味を誰よりも理解している【写真:Getty Images】

 好調な滑り出しについて、モウリーニョ監督は「とてもいいプレシーズンを送れたからだ」と強調する。

「良いコンディションの中で、トレーニングを重ねられた。戦術面や単純なプレー面だけではなく、集団として練習を重ね、時間を過ごすことができた。24時間一緒に過ごして、ロサンゼルスの素晴らしい環境の中で練習を続け、欧州の強豪と2試合こなした。プレシーズンを過ごしてチームは自信を取り戻し、いい形でスタートできた」と満足げに語った。

 エバートン戦に先駆けて、12日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)のグループリーグ初戦・バーゼル戦も3-0の完封勝利を飾った。第三者にとっては面白みのない試合だったろうが、CLの常連をあっさり退けるチームには、強かった時代のユナイテッドの姿が垣間見えた気がした。

 また今季は近年に比べて選手層も厚くなっており、バーゼル戦でもバックラインにはクリス・スモーリングと新加入のビクトル・リンデロフを、左ウィングバックにはアシュリー・ヤングを起用し、リーグ戦ではベンチに座ることの多い選手たちにプレータイムを与えることもできた。また負傷退場したポグバに代わって途中出場したフェライニはが1得点1アシストと気を吐くなど、収穫が少なくなかった試合である。

 それでも、試合後のモウリーニョ監督は満足しない様子で、「前半は良かったが、途中から締まりがなくミスが多くなり、プレイステーションのサッカー、ファンタジーフットボール(編注:欧米で盛んなサッカーシミュレーションゲームのこと)だった」と、勝って兜の緒を締めた。

 解説席にいたのは、チェルシー時代のモウリーニョを良く知るランパード。司会のガリー・リネカーに「モウリーニョはハッピーじゃないのか?」と聞かれたチェルシーのレジェンドは、「そんなことはない。喜んでいると思うよ。CL初戦としては、ジョブ・ウェルダン(上々の仕事)だ。だが、選手たちの気を引き締めるためにそう見せている」と明かした。

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