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好調マンUとご機嫌なモウリーニョ。スペシャルワンに戻った智将、赤い悪魔に復活の予感

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

継続の難しさを知る指揮官。ユナイテッドの強さは本物か?

マンチェスター・ユナイテッド
今季のマンチェスター・ユナイテッドは新戦力のロメル・ルカクを筆頭に、個の能力の高い選手たちが組織的なサッカーを披露している【写真:Getty Images】

 まだ開幕直後なだけに、赤い悪魔の帰還を語るのは時期尚早だ。それだけに指揮官も、選手たちに多くを求めているのだろう。なぜなら、酸いも甘いも経験した智将は、現在のインテンシティの高いパフォーマンスを1シーズン通して続けるのが難しいとわかっているからだ。

「監督としてあまり経験はないが、週に1試合しかないときは、十分な準備が可能だ。次の試合に向けてすべてを勉強し、分析してから用意周到で臨める。ただ2、3日ごとに試合をする場合は、プレシーズンで蓄えたもの、そしてシーズン中に作っていくものをベースにしなくてはいけない。これからは毎週のようにミッドウィークに試合が入り、週5日を準備に費やせるクリーンウィークはない。1月くらいまでないだろうから、簡単にはいかない」

 その意味では、エバートン戦はユナイテッドの本当の強さを見極めるのに適した試合だったといえるのではないか。エバートンのロナウド・クーマン監督が、「4-0のスコアは、実際の試合展開を反映していない」と語り、モウリーニョ監督もそれに同調した。そして多くの識者も、「90分間を通してみれば、エバートンには酷なスコアラインだった」と話していた

 だが、結果がすべての世界である。今季の第一ハードルと目されていた試合で、大事なところで仕事をして、きっちりと勝利をモノにしている。今後は10月初旬の代表ウィークを除いて、ほぼ毎週2試合をこなしていかなければならず、さらに10月にはリバプール戦(14日)、トットナム戦(28日)、11月にはチェルシー戦(5日)と、トップチームとの戦いが控える。

 真価が問われる試合が待ち受けるが、果たしてユナイテッドの強さは本物なのか。もし、モウリーニョ監督の自信溢れる表情だけで判断できるというのであれば、その可能性は高い。

(取材・文:松澤浩三)

【了】

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