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チェルシー、プレミア連覇へ弱点補強。問われる指揮官の人心掌握力と過密日程への対応【欧州主要クラブ補強診断】

シリーズ:17/18欧州主要クラブ補強診断 text by 編集部 photo by Getty Images

補強・総合力診断

チェルシー
チェルシーの2017/18シーズン予想布陣(黄色は新加入選手)

IN
GK ウィリー・カバジェロ(マンチェスター・シティ)
DF アントニオ・リュディガー(ローマ)
DF ダビデ・ザッパコスタ(トリノ)
DF アンドレアス・クリステンセン(ボルシアMG/期限付き移籍期間満了)
DF アブドゥル・ラーマン・ババ(シャルケ/期限付き移籍期間満了)
DF ジェイク・クラーク=ソルター(ブリストル・R/期限付き移籍期間満了)
MF ティエムエ・バカヨコ(モナコ)
MF ダニー・ドリンクウォーター(レスター・シティ)
MF キリアン・アザール(ウーイペシュト)
FW アルバロ・モラタ(レアル・マドリー)

OUT
GK アスミール・べゴビッチ(ボーンマス)
DF ネイサン・ジョンテリー(アストン・ヴィラ)
DF オラ・アイナ(ハル・シティ/期限付き移籍)
DF クルト・ズマ(ストーク/期限付き移籍)
MF ネマニャ・マティッチ(マンチェスター・ユナイテッド)
MF ナサニエル・チャロバー(ワトフォード)
MF ルベン・ロフタス=チーク(クリスタル・パレス/期限付き移籍)
MF ルイス・ベイカー(ミドルスブラ/期限付き移籍)
FW ドミニク・ソランキ(リバプール)
FW テイミー・エイブラハム(スウォンジー/期限付き移籍)

補強評価:B

 マティッチを放出したものの、バカヨコとドリンクウォーターの獲得によりカンテの相方探しと中盤の層を厚くする2つの問題を解決できた。昨季は居場所を失いかけていたセスクも復活の兆しを見せており、過密日程にも十分に耐えることができそうだ。

 コンテ監督の愛弟子モラタがエースストライカーとしての地位を確立できれば、ジエゴ・コスタという得点源を失っても痛みはそれほど大きくない。リュディガーもチームの補強ポイントと合致しているだろう。

 モーゼスとザッパコスタが激しい競争を繰り広げる右ウィングバックは心強い。逆に左ウィングバックは、圧巻の攻撃力で存在感を増したマルコス・アロンソが何らかの理由で離脱した際のバックアップに若干の不安を残す。

総合評価:B

 新戦力のモラタを1トップに、アザール、ペドロ、ウィリアンの3人が務める2列目を加えたアタッカー陣の破壊力は申し分ない。

 その攻撃陣を後方から支えるカンテ、神がかり的な技術とひらめきで魅せるセスク、地味ながら安定感抜群で経験豊富なドリンクウォーター、規格外のフィジカルで広範囲をカバーするバカヨコなど、それぞれ違った特徴を持つ中盤のクオリティもプレミアリーグ屈指だ。

 コンテ監督の代名詞とも言える組織化された守備も健在。とはいえ大型補強を敢行したマンチェスター勢2クラブと比較すれば、補強による戦力値の伸び幅は小さく、リーグ連覇への道のりは困難を極めるに違いない。

 そして忘れてはならないのは、ジエゴ・コスタの去就である。コンテ監督との確執が表面化し、プレシーズンへの参加を見送った元エースはこのまま退団が濃厚とされている。昨季のチーム内得点王を失った今、問われるのは新たなフィニッシュ役となるモラタの爆発と組織力の強化、さらには情熱的なイタリア人指揮官の人心掌握力である。

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【了】

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