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Jリーグ 7年前

【英国人の視点】新潟、全てが遅きに失した2017年。奇跡の“脱出”は不可能? 誇りかけた終盤戦へ

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

主力が大量流出。穴埋め進まず、初勝利は開幕から7試合目

新潟
舞行龍ジェームズ、レオ・シルバ、ラファエル・シルバ(左から)が退団。しかし代役を確保できず【写真:Getty Images】

 シーズン開幕前の移籍市場での苦戦により、今季も残留争いを強いられることは予期されていた。チーム最高の選手たちを引き抜かれることには慣れっこになっていたとしても、舞行龍ジェームズ、レオ・シルバ、ラファエル・シルバを一度に失った穴は埋められるものではなかった。

 3人の代役となる目立った補強はなし。指揮官として、J3のAC長野パルセイロを1年間率いただけであり、J1では初の仕事となる三浦文丈監督が招聘されたのも少々驚きだった。2017年の新潟に大きな期待を抱くことができる者は多くはなかった。

 その不安は現実のものとなり、新潟は開幕から6試合を終えて1勝も挙げられず、勝ち点はわずか2ポイント。4月16日のヴァンフォーレ甲府とのアウェイゲーム(第7節)で2-0の勝利を収めて今季初の勝ち点3を獲得したが、その後は無得点での3連敗が続き、三浦監督はベンチを追われることになった。

 その翌週、片渕浩一郎暫定監督の率いた新潟はホームでの浦和レッズ戦に1-6で大敗。心機一転の希望とともに呂比須ワグナー新監督が招き入れられ、5月20日には初采配の札幌戦で順調なスタートを切った。しかし、それも幻の夜明けでしかなかった。チームはそれ以来リーグ戦で1勝も挙げることができていない。

 未勝利期間はいまや15試合に達している。土曜日の試合に向けては、最初から攻めに出ると力強く宣言していたが、実際には札幌ドームでの序盤にそういった大胆な姿勢はみられなかった。最初の20分間のボール支配率は56%と相手を上回ってはいたが、その間1本も枠内シュートを放つことができず、札幌のGKク・ソンユンが27分に負傷交代を強いられた後になっても本格的にゴールを脅かすことはできなかった。

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