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本田圭佑 6年前

本田圭佑のオランダ凱旋。欧州で“地元のヒーロー”から“国民的スター”になった男の軌跡

text by 中田徹 photo by Getty Images

VVVのキャプテン就任。日本人が地元のヒーローに

本田圭佑
本田圭佑はキャプテンとしてVVVのオランダ2部優勝に貢献。16ゴール14アシストで年間MVPにも輝いた【写真:Getty Images】

 本田は、オランダ2部リーグという地味な舞台で、『フェンロのローカルヒーロー』になっていった。つまり逆に『アンチ』も存在したということである。2008年12月4日、MVVとのダービーマッチは今でも語り草の試合だ。

 VVVが1-2のビハインドで迎えた後半アディショナルタイム2分、本田は強烈なボレーシュートで劇的な同点弾を決めた。ホームのサポーターが文字通り爆発したデ・クール(VVVのホームスタジアム)。その中でMVVへの思いを隠せないアナウンサーが「ブロンドのXXがゴールを決めちまった」と実況したのだ。その後、彼がデ・クールを出入り禁止になったのは言うまでもない。

 2009年2月27日の対ドルトレヒト戦から、本田がキャプテンマークを巻くようになった。当初はファン・カウウェンの怪我による代行的な意味合いがあったが、同年3月20日のフォルトゥナ・シッタルト戦から正式にキャプテンとなった。

――監督は今後も本田選手がキャプテンと言っていたが

「それは俺も聞いた。フランク(ファン・カウウェン)には悪いけれど、僕にとっては海外でこの年齢で、キャプテンが出来るということは、滅多にない貴重な体験なんで、貪欲に続けたいなと思う。最後まで任せてもらえるのであれば、そんな誇らしいことはないと思う」

 VVVがオランダ2部リーグ優勝を決めたのは2009年4月24日のハーレム戦だった。ベルデン会長は「圭佑は、ヨーロッパのチームでキャプテンマークを巻き、初めて優勝した日本人」と語った。それを聞いた本田は、こう語った。

「会長も『いずれ日本人も(本田の成し遂げたことに)気づくのではないか』ということを言っていましたけど、時間はかかるでしょうね。オランダ2部というのがどういうところかわからない人が、9割だと思うのでね、それは時間が必要だと思うし、それはしょうがないと自分では受け止めている。大事なのは今後自分がどういったプレーをしていくかだと思う。この経験をきっかけにして、自分のプレーというものをもっと、もっと高みを目指して頑張っていけたらなと思います」

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