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Jリーグ 7年前

【英国人の視点】神戸につきまとう「もっとやれる」という言葉。ポドルスキ獲得も体現し続ける中庸

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

今季はスタートダッシュに成功したかと思われたが…

2017シーズン途中に神戸へ加入したルーカス・ポドルスキ
2017シーズン途中に神戸へ加入したルーカス・ポドルスキ【写真:Getty Images】

 2017シーズンの開幕を前にして、ルーカス・ポドルスキの獲得の噂(最終的には夏にガラタサライからの加入が実現)もネルシーニョ監督のチームへの期待を強めていた。開幕からの4試合に勝利を収め、その期待が正しかったことが証明されるかに見えた。

 だがエイプリルフールの浦和レッズ戦に1-3の敗戦を喫したことでその勢いはストップ。その後の17試合ではわずか5勝しか挙げられず10敗を重ねることになった。8月13日のFC東京とのアウェイゲームに0-1で敗れたあと、ネルシーニョ監督は解任された。

 そこからはやや持ち直し、後任の吉田孝行監督のもとでは7試合で1敗のみ。先週末の浦和戦に引き分けたことでリーグ戦5試合連続無敗となった。この5試合を通してほとんど先発メンバーは入れ替わっておらず、先週土曜日などの2試合で大森晃太郎が田中順也に代わって先発しただけだ。

 それでも最終成績は、やはりいつも通りのものとなりそうだ。昨季のヴィッセルは29試合を終えた時点で勝ち点43を獲得して総合9位。12勝10敗、得点45、失点39という成績だった。今年は29試合を終えて勝ち点41で8位。12勝と12敗を記録し、得点も失点も33点。白星と黒星も、得点と失点も拮抗した数字で中位に位置している。まさに平均的なチームだ。

 レッズと1-1で引き分けた試合も神戸らしく平凡なものだった。ボール保持率(54%)やパス数(638本対562本)では相手をやや上回ったとはいえ、AFCチャンピオンズリーグ準決勝2ndレグの上海上港戦を控える相手を本格的に脅かすことはできず、シュート数は浦和の15本に対してわずか7本。枠内シュートはそのうち4本だった。

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