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Jリーグ 7年前

いまでも「責任を感じている」金崎夢生との一件。前鹿島監督・石井正忠の回想録【インタビュー】

text by 藤江直人 photo by Editorial Staff, Getty Images

「もう少し待ってもらえたら、リーグ戦でも成績を出せたと思う」

開催国王者として臨んだクラブW杯ではレアル・マドリーとの決勝戦まで勝ち進んだ
開催国王者として臨んだクラブW杯ではレアル・マドリーとの決勝戦まで勝ち進んだ【写真:Getty Images】

 就任からわずか3ヶ月後にヤマザキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)を制し、アントラーズに3年ぶりとなるタイトルをもたらした。昨シーズンはファーストステージを制覇したものの、セカンドステージでは11位に低迷。第14節からは4連敗を喫し、負け越して終えた。

 しかし、Jリーグチャンピオンシップまでの約3週間で、守備を徹底させることでチームは鮮やかに蘇る。川崎フロンターレ、浦和レッズを下剋上で連破して7年ぶりにJ1の頂点に立った。

 開催国王者として臨んだFIFAクラブワールドカップ2016でも快進撃を演じ、日本勢として初めて決勝戦へ進出。延長戦の末に敗れたものの、ヨーロッパ王者レアル・マドリードと演じた熱戦は日本中を興奮させた。

 そして天皇杯を合わせた二冠を獲得した常勝軍団に、MFレオ・シルバ(前アルビレックス新潟)、FWペドロ・ジュニオール(前ヴィッセル神戸)、GKクォン・スンテ(前全北現代)らが加入。ACLを含めた四冠を期待された今シーズンは、序盤から苦戦を強いられた。

「これが原因だ、ということは最後までわかりませんでした。新しく加入した質の高い選手たちを、去年のベースに乗せていこうとした方法がよくなかったのかな、といまでは思っています。準備期間がないことはわかっていたので、そこは監督としての経験値も関係しているのかなと。

 これは言い訳になるかもしれませんけど、もう少し待ってもらえたら、リーグ戦でも成績を出せたと思うんですけど。ただ、優勝を目指していたACLで敗退した責任は当然、監督だった私自身にあるので、クラブの判断を受け入れなければいけないと」

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