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日本代表 6年前

原口元気、ブラジル戦にかける復活への覚悟。イメージはバイエルン戦、求められる明確な結果

text by 元川悦子 photo by Getty Images

イメージはバイエルン戦。「ふらっとサボる時」を狙う

原口元気
原口元気はドイツの絶対王者バイエルンをイメージしてブラジル戦のピッチに立つ【写真:Getty Images】

 しかもシャルケ戦ではイライラが募って一発退場。2試合出場停止になったことで、チーム内での序列がさらに下がってしまった。自ら招いた出来事とはいえ、浮上のきっかけをつかみつつあった時期だけにダメージは大きかったはずだ。

「ここ(代表)に対してモチベーションがあったから、ヘルタでもいいトレーニングを積んでこられた」と本人は目を輝かせる。「やっと自分を表現できる場ができるので、存分に苦しみにいきたい。苦しまないと勝てない相手なので、苦しみにいく覚悟で臨みたい」と背番号8はここまでの悔しさを爆発させるべく、ワンチャンスを虎視眈々と狙っていくつもりだ。

 対面には、ハリルホジッチ監督が「ブラジルの攻撃の中心になっている」と指摘するダニエウ・アウヴェス(PSG)がいるため、守勢に回る時間が長くなるのは間違いない。普段以上にデュエルの強さ、タッチライン際のアップダウンやハードワークも求められてくるだろう。

 しかしながら、どんな強豪チームでも集中力の切れる時間が少なからずある。それを原口はバイエルン・ミュンヘンやボルシア・ドルトムント相手に実体験しているのが強みだ。「バイエルンとやるイメージで僕は戦うつもりです」と本人もキッパリ言う。

 実際、10月1日のバイエルン戦に挑んだヘルタ・ベルリンはマッツ・フンメルスとロベルト・レヴァンドフスキに2点を奪われながら、最後は2-2に追いつくしぶとさを見せた。原口自身も後半6分、強引なペナルティエリア内のドリブル突破からオンドレイ・ドゥーダの1点目をアシスト。反撃の火付け役となっている。

 この場面に象徴される通り、「相手がふらっとサボる時は必ずある」と原口も強調する。親善試合のブラジルならば、なおさらその傾向が強いだろう。そのスキを突けるか否か。それが日本がサプライズを起こせるか否かの最大のポイントかもしれない。

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